IAEA事務局長、ウクライナ大統領らと会談 原発視察控え
(VOVWORLD) -国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は3日、ロシアが占拠するウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所への訪問を前に、ウクライナのゼレンスキー大統領やエネルギー当局者らと会談しました。
(写真:THX/TTXVN) |
会談後の記者会見で、原発の状況は「非常に不安定だ」とし、災害のリスクが残っていると述べました。
グロッシ氏はゼレンスキー氏のほか、ハルシチェンコ・エネルギー相、ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムのペトロ・コーチン社長、ウクライナ原子力規制検査局のオレ・コリコフ局長代理と会談しました。ウクライナが越境攻撃を続けているロシア西部クルスク州にあるクルスク原発の状況についても協議した。
グロッシ氏はザポロジエ原発の状況について、「私はこれまで何度も非常に不安定と表現してきた。安定している日もあれば、ドローンの影響など問題も発生する。きょうは既存の送電線2本のうち1本がダウンし、再び停電寸前になっている」と語り、停電すれば冷却が停止するとし、大惨事につながる可能性もあると指摘しました。
X(旧ツイッター)への投稿では、ウクライナ当局者との写真とともにIAEAは「(ウクライナの)核施設の安全とセキュリティーに全面的に尽力している」と言明しました。「ザポロジエ原子力発電所の視察を前に、ウクライナの原子力発電所への支援について(意見を)交換した」と述べていました。
グロッシ氏はまた、ザポロジエ原発とクルスク原発の状況は異なっているとした上で、「原発への攻撃の可能性がある場合、常にリスクとなるだろう」と述べました。
グロッシ氏は先月27日、クルスク原発を視察し、状況は深刻で、核事故の恐れがあると警告しました。(ロイター)