(VOVWORLD) - ASEAN=東南アジア諸国連合の中核的役割はすでに確立され、世界の主要パートナーから認められています。しかし、ASEANは変動する世界の中で、戦略的自律性を継続的に高める必要があります。
これは26日、ハノイで開催中の第2回ASEAN未来フォーラムのハイレベル討論会でASEANの首脳らが述べた見解です。
イブラヒム首相 |
ハイレベル討論会の基調講演で、2025年ASEAN議長国であるマレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、ASEANの中核的役割がこれまで、際立ったテーマとなっているが、ASEAN加盟国はこの中核的役割が権利ではなく、特権であることをよく認識し、すべての加盟国がこれを守るために、絶え間なく、努力しなければならない」と強調しました。なぜなら、現在、ASEANは不安定な世界の中でも、比較的に平和な状態にあるからであるとしています。
また、世界的な地政学的緊張、地域内での大国間の影響力競争、世界貿易の不確実性など、ASEANが将来、直面する課題に言及し、イブラヒム首相は、ASEAN諸国に対し、域内連携の強化を呼びかけ、それにより、戦略的自律性を構築し、グローバルな影響力を維持するよう促しました。
(テープ)
「地域の経済発展を強化する一方で、ASEAN内の発展の上限の向上にも取り組まなければなりません。将来の戦略的課題に対応するため、強固で安定した域内サプライチェーンのエコシステムを構築することは必須です。先進国では市場の持続可能性を重視する傾向が強まっているため、ASEANは世界貿易における地位を維持するため、適応力を高めなければなりません」
マレーシア首相によりますと、これまでのベトナムの経済発展の成功と大国との関係調整におけるベトナムの外交術は、ASEAN内の戦略的自律性の構築に重要な貢献をするとのことです。
チン首相 (真ん中) |
一方、ファム・ミン・チン首相は自立、自強、戦略的自律性を維持するために、それぞれの国家とASEANは5つの要素を維持する必要がある。それらはルールに基づくバランスの取れた友好的な外交政策、経済力の構築、強力な国防・安全保障の維持、包括的な社会福祉政策および文化的アイデンティティの保持であると強調しました。
(テープ)
「文化的アイデンティティの発展は非常に重要な課題です。自立自強が図られるためには、外交、経済、国防などの基本的な課題に加えて、内なる力を発揮するため、文化的アイデンティティが必要です。文化そのものは内なる力です。文化とアイデンティティは、国民の資源を活用するためのものとなります」
ハイレベル討論会に参加したニュージーランドのクリストファー・ラクソン首相も、インド太平洋地域におけるASEANの重要な役割を評価しました。