中国の習近平党総書記・国家主席の招きに応え、トーラム党書記長・国家主席夫妻とベトナム代表団は18日から20日にかけて、中国国賓訪問を行いました。この訪問はあらゆる分野で成功を収めたと言え、戦略的な意義がある「未来共有コミュニティ」の構築に弾みをつけ、地域と世界の平和、安定、発展に貢献するとしています。

訪問にあたり、発表された共同声明は包括的な戦略的協力パートナーシップのさらなる強化に関する共通認識や合意書を具体化しました。また、両国の省庁、部局、地方が複数の協力合意書を締結したことは同訪問の成功の証となっています。

あらゆる面で成功を収めた訪問

2日間あまりで、18の活動が行われ、多くの重要な成果を収めました。会談や会見で、トーラム党書記長・国家主席は習近平党総書記・国家主席をはじめ、中国の指導者と両国の党と国家の関係や地域と国際情勢について協議し、共通認識を達成しました。

党中央対外委員会のレ・ホアイ・チュン委員長は次のように語りました。

（テープ）

「両国の党、国家の最高指導者は相互尊重を強調しました。トーラム党書記長・国家主席は中国との関係を重視し、最優先課題と見なすというベトナムの党と国家の一貫した政策を再確認しました。一方、中国の党総書記・国家主席、および他の主要指導者はベトナムを中国の周辺外交政策の優先対象と見なすと強調しました。双方ともこれを戦略的な選択肢としています」

双方はハイレベルの戦略対話を維持すること、両国の党、国家の高級指導者の関係を緊密化すること、グエン・フー・チョン党書記長と習党総書記・国家主席をはじめ、両国の高級指導者が達成した共通認識や合意書の効果的履行を目指す大きな方向性で一致しました。これに従って、ベトナムと中国は外交、国防、公安、貿易・投資を中心に戦略的分野で協力を強化することになります。

また、双方はベトナム東部海域（南シナ海）の平和、安定、海上・上空の自由航行の確保の重要性を再確認し、あらゆる紛争を国際法、1982年国連海洋法条約に基づき、平和的措置で解決することで一致しました。共同声明のほか、多くの分野に関する16件の協力文書が締結されました。訪問期間中、トー・ラム党書記長・国家主席は100年前に、ホーチミン主席が革命活動を行い、ベトナム・中国友好関係を樹立した所である広東省、広州市を見学しました。

楊丹志氏

トー・ラム党書記長・国家主席の訪問は中国のマスメディアの注目を集めるだけでなく、学者の高評を得ています。中国社会科学研究院の東南アジア研究者である楊丹志氏は次のように話しました。

（テープ）

「この訪問は両国関係に対するベトナムと中国の重大視を反映するものです。訪問で収められた目立った成果は両国関係の安定的な発展に役立ち、中国と東南アジア諸国との関係に前向きな影響を与えるでしょう」

崔鎮海所長

一方、中国・香港社会的投資研究所の崔鎮海所長は次のような見解を述べました。

（テープ）

「両国の高級指導者はこの訪問を重視しています。ベトナムの代表団にはほとんどの省庁、部局の指導者が参加しました。双方は具体的な協力分野について話し合い、中国・ベトナム関係の広範かつ長期的な発展に着実な土台を作り出すことが狙いです」

ベトナム外交政策の成果

トーラム党書記長・国家主席の中国訪問は2025年のベトナムと中国の外交関係樹立75周年を迎えるにあたり、行われるものです。2025年は「ベトナム・中国人文交流の年」に定められます。

ベトナムにとって、この訪問は年内の重要な外交活動であり、中国との関係を第一の優先課題に位置付けるという対外政策を展開するものです。訪問で収めれた具体的な成果と合意書は平和で安定的な環境を作り出し、社会経済開発に拍車をかけ、国際社会におけるベトナムの地位向上に貢献するものとなっています。