「ホー・スー・チャー 辺境の春」 ― ハニー族の伝統的なお正月 ―

(VOVWORLD) - ベトナム北西部、ライチャウ省の山あいに暮らすハニー族には、「ホー・スー・チャー」と呼ばれる独自の伝統的なお正月があります。旧暦10月の最初の辰の日に行われるこの祭りは、農作物の収穫をすべて終えた後、人々が集い、先祖に感謝を捧げる大切な節目です。
「ホー・スー・チャー 辺境の春」 ― ハニー族の伝統的なお正月 ― - ảnh 1ハニ族の女性、お正月に着る最高の服を自ら仕立てる。

去年はうるう月の関係で例年より一か月早い開催となりましたが、トゥルム村のカーラン集落では、夜明け前から太鼓の音と笑い声が響き渡りました。土壁の家々からは炊事の煙がゆるやかに立ち上り、餅の甘い香りと、とうもろこし酒の芳醇な香りが、冷たい山の空気に溶け込んでいきます。

集落に暮らすリー・サー・プーさんは、次のように話してくれました。

(テープ)

「ホー・スー・チャーには、家を丁寧に掃除して、餅を作り、豚を屠って先祖に供え物をします。どの家も肉、お酒、餅を並べた膳を整え、線香を焚いて天地に感謝します。豊かな実りと子どもたちの健康を守ってくれた先祖へのお礼です。遠くへ出た子どもたちが帰ってくる、ハニー族の人々にとってとても喜ばしい時です。」

「ホー・スー・チャー 辺境の春」 ― ハニー族の伝統的なお正月 ― - ảnh 2ハニ族の男性は生活用品作りの名手。

去年のホー・スー・チャーは、地域の民族文化祭とも重なり、例年以上の賑わいを見せました。鮮やかな民族衣装をまとった女性たちが集まってスカートや上着に刺繍を施す傍ら、男性たちはクロスボウ射撃や綱引き、パオ投げなどの競技に沸き立ちました。近隣の集落から多くの住民や観光客が訪れ、集落の広場は一日中、歓声に包まれました。

メーゾン集落のチュー・テー・フーさんは、正月の準備について次のように語りました。

(テープ)

「前もって豚を用意しておき、元日に屠りました。屠った後は肝臓を取り出して、来年の農作物の出来を占う習わしがあります。お正月の間は料理を作って、近くの友人や親戚はもちろん、遠くから来てくださった旅の方々も温かくお迎えします。」

「ホー・スー・チャー 辺境の春」 ― ハニー族の伝統的なお正月 ― - ảnh 3ハニ族の伝統、新年に豚の肝で豊作を占う。

中部ゲアン省からはるばる訪れた観光客のグエン・ヴァン・ビンさんも、この祭りに深く心を動かされた一人です。

(テープ)

「ハニー族の皆さんの温かさに触れ、本当に心が温まりました。皆さんが一緒にお正月の食事を準備し、遠くから帰ってきた家族を迎え入れる姿がとても印象的でした。輪になって踊る伝統の踊りも、忘れられない体験です。ぜひまた訪れたいと思います。」

ホー・スー・チャーは今、地域の観光を支える大切な資源にもなっています。トゥルム村の党委員会委員長のグエン・チュオン・ザン氏は、村が「文化的アイデンティティの保全とコミュニティツーリズムの発展」を今後5年間の重要目標として掲げていることを明らかにしました。伝統的な土壁建築の保全や、とうもろこし酒・餅・手織り布などの特産品づくりを通じて、この山あいの村ならではの魅力を発信していく考えです。

「ホー・スー・チャー 辺境の春」 ― ハニー族の伝統的なお正月 ― - ảnh 4新年の食卓を飾り、互いの平安を祈る。

太鼓と銅鑼の音が山の斜面に響き、小川のせせらぎと溶け合う中、ハニー族の人々は新しい年の穏やかで豊かな暮らしを願います。ダー川の源流に抱かれた辺境の地に、今年も早い春が訪れました。素朴でありながら、世代を超えて深く根づいたハニー族の文化。それはまさに、祖国の最西端に生きる人々の、温かな心そのものです。

ご感想

他の情報