お年寄りが路上で将棋を打つ
山崎 こんにちは、山崎千佳子です。
アン こんにちは、アンです。
山崎 アンさん、お久しぶりです。先週は、ソンさんとおしゃべりタイムを担当したんですが、ソンさんは日本に5年いたそうですね。
アン そうです。VOVの東京支局の特派員でした。
山崎 アンさんも昔、東京支局にいたんですよね?みなさん任期は5年くらいなんですか?
アン (説明)
山崎 仕事内容は、取材と原稿作成になりますか?
アン (説明)
山崎 ソンさんがおもしろいことを言っていました。日本での仕事とべトナムでの仕事は全く逆になるということです。日本ではベトナムに送るためにベトナム語で原稿を書くけれど、ベトナムでは日本語での原稿作成になると。確かにそうですね。
アン (コメント)
山崎 ちなみに東京支局の場所はどの辺ですか?
アン 代々木上原です。日本にあるベトナム大使館の近くですね。
山崎 やはり大使館の近くだと便利だからですか?
アン (説明)スタッフの住まいも近くですよ。
山崎 もちろんお仕事のためだと思いますが、都心のいいところでうらやましいですね。また時間がある時に、アンさんやソンさんに特派員時代のお話を聞きたいと思います。では、リスナーのかたからのメッセージをご紹介します。福岡県岡垣町のほかむらふみとさんからです。
―こちらはじゃが芋を植える時期が来ました。私も健康に近かった頃は、たくさんじゃが芋やニラ、ピーマン、トウモロコシを植えていて、秋の収穫期に大きな喜びと感謝の心が湧き上がっていました。それで、ベトナムの農業についてですが、稲作、コーヒー以外はどんな作物が育って、海外へ輸出されていますか。それからベトナムの農業用水は今、大丈夫ですか。
アン ほかむらさん、お便り、ありがとうございます。野菜を栽培していたんですね。イチゴ栽培はされていましたか?福岡産の「あまおう」は、とてもおいしいですね。
山崎 そうですね。日本の農産物は味や質がいいので、海外でも人気ですね。ベトナムも農業国ですから、いろいろなものを輸出していますよね?
アン はい。コショウや、タピオカ、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、落花生、豆、サトウキビ、スイカ、ブドウなどを輸出しています。中でも、コショウは、生産量も輸出量も世界トップです。
山崎 私も以前、ニュース原稿でそれを知って、驚きました。かなりの量を輸出しているんですよね?
アン そうなんです。昨年は15万トンで、10億ドル以上に達しました。世界のコショウ生産量のおよそ3割に相当します。
山崎 すごいですね。これはあまり知られていないことだと思いますよ。ほかむらさんがベトナムの農業用水について心配してくださっていますが。
アン そうなんです。ここのところ、ベトナム中部で干ばつが深刻化しているんです。今のところ、北部は農業用水が確保されていますが、中部や南部でも上の方の地方は大変です。農業用水だけでなく、生活用水も不足しています。各地方は対策を進めていますが、今年の農産物の収穫量は大きく減る恐れがあります。次に、神奈川県にのみや町(まち)の関本・まさる さんからです。
― 山崎さんが加わりベトナムの発音を日本語の発音に直して、聞きやすいです。文化スポーツニュースにも話題となっていた人間将棋ですが、ベトナムの将棋に興味を持ちました。ベトナムの将棋は日本のものと当然違うのでしょうが、中国のものとは同じなのでしょうか?
山崎 関本さん、メッセージありがとうございます。日本語は「あ、い、う、え、お」と、はっきり発音しますが、ベトナム語はよりソフトなしゃべり方なので、それぞれにない発音があるんですよね。一応ベトナムの地名などは、わかりやすく日本語的な発音にしています。アンさん、ベトナムの将棋は中国のものと同じですか?
アン 同じです。「将」、「士」、「象」、「車」、「砲」、「馬」、「卒」の七種類の駒があり、「黒」と「白」に分かれて、勝負します。
山崎 お年寄りなどが道端でよく楽しんでいますね。
アン そうですね。これも、ハノイ文化の1つと言えるかもしれません。
山崎 次に、沖縄県名護市の中村しょうじさんから、先月上旬に頂いたメッセージです。
―自分は現在、沖縄県発行の療育手帳を持っています。知的障がいのためです。障がいの記号は次の通りです。最重度、重度、中度、軽度。そこで質問です。ベトナムの障がい者向け療育手帳のことを教えてください。
アン 中村さん、お便りありがとうございます。ベトナムも障がい者向け療育手帳と同じようなものがあります。障がい証明書と呼ばれています。所有者の障がいの程度などが書かれています。
山崎 中村さん、また質問などお気軽にお寄せください。お待ちしております。次に、小野澤さかえさんから今月10日に頂いたメールをご紹介します。
-今年6回目の受信報告となります。今回のニュースで「パリでベトナム系フランス人の枯葉剤被害者がアメリカ化学製薬会社を相手取って訴訟を起こす」との記事がありました。ベトナム戦争終結から40年が経過しますが、まだまだ傷は癒えきっていないという事例でしょうね。昨今、ベトナムと米国は非常に強い協力関係を築いているように見えますが、実際の教育現場などでは、ベトナムの子どもたちは「対米救国戦争」についてどのような教育を受けているのでしょうか。またその教育方針は、この40年間を経て変わってきているのでしょうか。
アン 小野澤さん、ありがとうございます。小野沢さんのご質問は興味深いです。
山崎 そうですね。国によって全く方針が違うと思いますが、ベトナムはどうなんでしょう?
アン はい。現在も、国の歴史や過去のことを忘れるべきではないという点で、子どもたちに、戦争の残酷さや侵略に関する罪、民族の誇りなどを教えていますが、同時に「過去を棚上げにして未来志向」ということも教えているんです。過去は既成事実で直せないけれども、これをもとに明るい将来へ向かっていこうという意味です。
山崎 すばらしい考えですね。
アン はい、これはホーチミン思想の一部なんですが、ベトナムがドイモイ、刷新事業を開始した1980年代前半から正式に始まったことです。
山崎 これで、私の知り合いの話を思い出しました。その人が、戦時中に日本軍の捕虜になって、非常につらい思いをした方に聞いたそうなんです。「戦争の償いとして、私たちは何をすればいいでしょう?」と。元捕虜の方は一言「忘れることですよ」と言ったそうです。捕虜と言うと、多分、想像もできないほどつらい思いをしたと思うんですが、その方のその一言は、とんでもない重さを持っていると思いました。私も15年ぐらい前に聞いた話ですが、一生忘れないと思います。
今週もたくさんの方からメッセージを頂きました。ありがとうございます。最後に、お名前だけでもご紹介します。
・ 秋田県おおだて市の・ふくだ・ひさたか・さん
・ 群馬県しぶかわ市の・すずき・よしかず・さん
・ 千葉県まつど市の・きしべ・ゆうき・さん
・ 千葉県さくら市の・みずいけ・たかお・さん
・ 東京都あだち区の・あいかわ・おさむ・さん
・ 東京都としま区の・おがさわら たかし・さん
・ 東京都しんじゅく区の・かとう・すぐる・さん
・ 東京都みずほまちの・おの・たかお・さん
・ 神奈川県かわさき市の・おいかわ・かずあき・さん
・ 神奈川県よこはま市の・たんの・ひでお・さん
・ 神奈川県横浜市の・おのざわ・さかえ・さん
・ 神奈川県さがみはら市の・おおかわ・たけし・さん
・ 大阪府せっつ市の・こはら・みきお・さん
・ 鹿児島県さつませんだい市の・なかはら・しょうた・さん
リスナーの皆さん、お便り、いつも ありがとうございます。これからも引き続きこの放送をお聞きになって、たくさんのお便りをお寄せくださいね。私たち、日本語課スタッフ一同心からお待ちしております。
お便りの宛先はThe voice of Vietjnam 45 Ba Trieuつづりは び・えい・てぃ・ある・あい・い・ゆ・ハノイです。そして、日本語放送のイーメールのアドレスはjapanese@vov.org.vn です。 それでは、来週のこの時間に又、お会いしましょう。
ご機嫌よう