IMFが警告 貿易摩擦が株価の大幅調整につながる可能性
(VOVWORLD) - 報告書では、アメリカのトランプ大統領が発表した関税措置などには直接言及していませんが、紛争や戦争、テロ攻撃、軍事費、貿易制限といったニュースに基づく地政学リスクの指標が、2022年以降上昇していると指摘しています。
アメリカ・ニューヨーク証券取引所のトレーダー(写真:THX/TTXVN) |
IMF=国際通貨基金は14日、世界金融安定性報告書の一部を公表し、貿易摩擦などの主要な地政学的リスクが株価の大幅な調整を引き起こす可能性があるとの見方を示しました。その結果、市場の変動性が高まり、金融の安定が脅かされるおそれがあると警告しています。
報告書では、アメリカのトランプ大統領が発表した関税措置などには直接言及していませんが、紛争や戦争、テロ攻撃、軍事費、貿易制限といったニュースに基づく地政学リスクの指標が、2022年以降上昇していると指摘しています。
あわせて公表された付随のブログでは、金融機関に対して、こうしたリスクによる損失に備え、十分な資本と流動性を確保するよう促しました。また、ストレステストやその他の分析手法を活用し、リスクの特定と管理に努めるよう求めています。
報告書では、戦争や外交的緊張、テロなどの大きなリスク要因が、国全体の株価を月平均で1ポイント、新興市場では平均2.5ポイント押し下げる傾向があることが調査で明らかになったとしています。
IMFは21日の週に開かれる世界銀行との春季会合で、報告書の全体を公表する予定です。今回の会合では、トランプ大統領が打ち出した関税政策が主要な議題になる見通しです。(ロイター)