[ロイター] - イタリアで1日、法学者のジュセッペ・コンテ氏(53)が新首相に就任し、大衆迎合主義(ポピュリズム)政党「五つ星運動」と極右政党「同盟」による連立政権が発足しました。
3月4日の総選挙後、約3カ月の紆余曲折を経て政権はようやく樹立しました。これによって政治空白は解消され、再選挙も回避されることになりましたが、財政や移民を巡る欧州連合(EU)の法改正を支持し、欧州で初の反体制主義を掲げる政権の誕生となり、今後の見通しには不透明感も漂います。コンテ氏は就任宣誓後、記者団にコメントしませんでした。
当初経済相候補として起用が検討されマッタレッラ大統領に却下されたユーロ懐疑派エコノミストのパオロ・サボーナ氏(81)は、欧州担当相に就任しました。EUとの交渉などに当たります。
また経済相にはジョバンニ・トリア氏が就任。過去にEU予算に関する規則変更を唱え、ドイツの大規模な経常黒字を批判してきました、ユーロ圏離脱は主張していません。
トゥスクEU大統領は、コンテ氏の首相就任を祝福し、「共通の課題を克服するため、これまで以上に一致団結する必要がある」と書簡で述べました。
欧州委員会のユンケル委員長の報道官はツイッターへの投稿で、コンテ新首相の掲げる改革計画をサポートするとしていくとし、「将来のEUに関するイタリアの期待や提案に配慮していく」と述べました。