(VOVWORLD) -インドネシア政府は、ジャカルタにある首都機能をジャワ島の外に移すと閣議決定しました。今後、場所や経費について基本計画を作成し、10年ほどかけて移転させるとしています。
地盤沈下などになっているインドネシア= AP |
インドネシアの首都ジャカルタは人口が1000万余りで、周辺を含めた首都圏では3000万を超え、人口の過密や交通渋滞、それに地下水のくみ上げによる地盤沈下なども大きな課題になっています。
こうした中、インドネシア政府は29日、ジャカルタの首都機能を移転させることを閣議決定し、今後、移転先の選定や経費調達についての基本計画を作成し、10年ほどかけて移転させるとしています。また、移転に必要な資金について民間からの投資も活用し、政府の負担を抑えたいとしています。
政府は、移転先の候補として、ジャカルタやスラバヤなどの大都市が集中するジャワ島以外を選ぶとする一方、ジャカルタには中央銀行や経済関係の一部の政府機関を残すとしています。
ただ、移転の実現には議会の承認が必要で、日本を含めた外国の企業がジャカルタに拠点を置く中で、首都機能の移転が経済活動にどのような影響を及ぼすのかを見極める必要があります。
インドネシアでは今月、大統領選挙が行われ、現地メディアは現職のジョコ大統領が再選される見通しだと伝えていますが、移転に向けた議論が今後、5年間の任期中にどこまで進むのか注目されます。(NHK)