エムポックスは「新型コロナとは異なる」 制御手段を把握 WHO
(VOVWORLD) - WHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は「エムポックスは新型コロナとは異なる」「制御方法は把握しており、欧州地域での感染拡大を完全に遮断するために必要な措置もわかっている」と語りました。
2024年8月16日、コンゴ民主共和国ゴマの病院で治療を受けるエムポックス患者(写真:Getty Images/TTXVN) |
WHO=世界保健機関は20日、アフリカ中部コンゴ(旧ザイール)を中心に感染が拡大しているウイルス感染症「エムポックス(サル痘)」について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とは異なり、ウイルスやその制御手段に関して、すでに多くの知見があると述べました。
WHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長はビデオ会見で、WHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言するきっかけとなったコンゴ盆地系統群(クレード1)の亜系統、「クレード1b」についてはさらなる研究が必要であるものの、エムポックスの感染拡大は抑制可能だと述べました。
同氏は「エムポックスは新型コロナとは異なる」「制御方法は把握しており、欧州地域での感染拡大を完全に遮断するために必要な措置もわかっている」と語りました。
WHOは2022年7月、より軽度で主に男性間性交渉者の間で広まった西アフリカ系統群(クレード2)の亜系統「クレード2b」について、PHEICを宣言しました。
翌年5月に解除されたこの時の宣言について、クルーゲ氏は「欧州では最も影響を受けた集団に直接働きかけたことで制御できた」と述べ、強力な感染症サーベイランス、感染者との接触者追跡、影響を受けた集団における行動変容の促進、そしてワクチン接種のすべてが感染制御に寄与したと説明しました。
また同氏は、一般の人々へのリスクは低いとし、「WHO欧州地域で、新型コロナの再来であるかのようにロックダウン(都市封鎖)が行われるかといえば、答えは明確に『ノー』だ」と述べました。
「クレード1b」は、主に成人間の性的接触を通じて感染が広がっています。
ただし、同氏によりますと、家庭や病院などで、特に口腔内に水疱がある急性期の感染者から、濃厚接触した相手に飛沫感染する可能性があるとしています。「感染経路にはまだ若干、不明瞭な点があり、さらなる研究が必要だ」と述べました。
また、WHOのタリク・ヤシャレビチ報道官は、WHOはマスクの着用を推奨していないと述べました。
現段階では大規模なワクチン接種も推奨しておらず、「最もハイリスクのグループに対し、発生状況に応じてワクチンを使用するよう推奨している」としています。(AFP通信)