ガザ地区 衛生環境悪化 ポリオ感染拡大懸念 WHOワクチン接種へ
(VOVWORLD) -パレスチナのガザ地区では、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の長期化で衛生環境が悪化し、ポリオの感染拡大が懸念されています。ポリオと診断された幼い子どもの母親はNHKの取材に対し、戦闘と避難生活の影響でワクチン接種が受けられなかったと窮状を訴えました。
(写真:AFP/TTXVN) |
ガザ地区での停戦と人質の解放をめぐる協議は、イスラエルが停戦後もガザ地区の戦略的要衝に部隊を駐留させ続けると主張しているのに対し、ハマスが完全な撤退を求めて難航していて、29日も仲介国のカタールで実務者レベルの話し合いが続いていると伝えられています。
こうした中、イスラエル軍は連日、ガザ地区で激しい攻撃を続けていて、地元のメディアは、29日も南部のハンユニスや北部のガザ市などで避難している住民のテントなどが爆撃を受け、8人が死亡したと伝えています。
戦闘が長期化する中、ガザ地区では水道などが破壊されて清潔な水の入手が極めて難しくなるなど衛生環境が悪化し、25年ぶりにポリオの感染が確認されています。
生後11か月の息子がポリオと診断されたネビン・アブルジディヤンさんはNHKガザ事務所の取材に対し「衛生的な水や食べ物がなく、戦争と避難生活のせいでワクチン接種も受けられませんでした」と話しました。
息子は入院して解熱剤などの投与を受けましたが、いまも下半身にまひが残っているということです。(NHK)