(写真:AP/Thiqa News Agency/TTXVN)
(NHK) シリア北部のアレッポをめぐり、劣勢に立たされている反政府勢力は、アサド政権による包囲を破ろうと反撃に乗り出し、これに政権側も激しく応戦して市民の犠牲が増える懸念が強まっています。
アレッポでは、このところ反政府勢力はアサド政権側による空爆で劣勢に立たされ、その支配地域は政権側に包囲されて、食料や医薬品が不足する状態が続いています。
この包囲を破ろうと、反政府勢力側は28日、さまざまな武装組織が連携してアサド政権側に対する反撃に乗り出したと明らかにしました。
内戦の情報を集めているシリア人権監視団によりますと、反政府勢力側はアレッポの外側から砲撃を加えたり、爆弾を積んだ車を突っ込ませるなどして政権側の支配地域の一部を奪い、15人の市民が死亡し、およそ100人がけがをしたということです。
これに対し、アサド政権は激しく応戦しているほか、アサド政権を支援するロシア軍は、今月18日から停止していた空爆を再開するようプーチン大統領に求めたと明らかにしました。
ロシア大統領府は、人道上の理由から空爆を直ちに再開するつもりはないとしているものの、反政府勢力側が攻勢を強めた場合には、空爆の再開も辞さない構えを示していて、市民の犠牲がさらに増える懸念が強まっています。