シリア化学兵器問題の国連安保理決議案 ロシアが拒否権
(NHK)シリアで化学兵器が使用されたと見られる問題をめぐり、国連の安全保障理事会で化学兵器の使用を非難する決議案が採決にかけられましたが、シリアのアサド政権を支えるロシアが拒否権を行使して、採択されませんでした。
(写真:AFP/TTXVN)
シリア北西部で今月4日、多数の死傷者が出て、化学兵器が使用されたと見られている問題で、国連の安保理では、日本時間の13日未明、対応を協議する会合が開かれました。
議長を務めるアメリカはイギリス、フランスとともに化学兵器の使用を非難し、アサド政権に真相究明に向けた調査への協力を求める決議案を提出しました。
この決議案は、シリアのアサド政権を支えるロシアの主張に沿って文言が修正されたものでしたが、採決にかけられた結果、欧米諸国や日本など10か国が賛成する一方、ロシアが拒否権を行使したため、採択されませんでした。
中国を含む3か国は棄権しました。
イギリスのライクロフト国連大使は、猛毒の神経ガス、サリンが使われた可能性が高いと指摘したうえで、「ロシアはアサド政権をかばうために8度も拒否権を行使した」と非難しました。