シリア“空爆で有毒ガス漏れ数百人死亡” 米主導有志連合は否定
(NHK)シリアの国営通信は、アメリカ主導の有志連合がシリア東部で過激派組織IS=イスラミックステートに対して行った空爆で、有毒ガスが漏れ出て市民を含む数百人が死亡したと伝えました。有志連合側は否定していて、情報の真偽は定かではありません。
(写真:
hangthebankers)
シリアの国営通信によりますと、シリア東部デリゾール近郊の村ハトラで12日、アメリカ主導の有志連合が過激派組織ISの支配地域に対して空爆を行った際、有毒な物質が大量に貯蔵されていた場所で爆発が起き、ガスが漏れ出たということです。
国営通信はシリア軍の発表としてこの情報を伝え、市民を含む数百人が有毒なガスを吸い込んで死亡したとしています。
有志連合のドリアン報道官は13日、NHKの取材に対し、「当時、周辺では一切空爆は行っていない。これまでも何度も見てきたことだが、意図的に誤った情報を流しているのではないか」と否定しました。
また、シリアの内戦の情報を集めているシリア人権監視団はNHKの取材に対し、「有志連合による空爆はあったが、被害や犠牲者について情報はない」としていて、情報の真偽は定かではありません。
アメリカは、アサド政権が市民に対して化学兵器を使ったと断定して軍事施設を攻撃しましたが、アサド大統領は12日に行った外国メディアとのインタビューで化学兵器の使用を否定し、アメリカの攻撃を強く非難しています。