トランプ大統領の裁判所批判 司法の独立脅かすと懸念の声
(NHK)アメリカのトランプ大統領が、大統領令の即時停止を命じた仮処分をめぐって裁判所への批判を強めていることに対し、新たに連邦最高裁判所の判事に指名された人が「失望した」と述べたと伝えられるなど、司法の独立が脅かされていると懸念する声が上がっています。
(写真:AFP/TTXVN)
アメリカのトランプ大統領が7か国の人の入国を一時的に禁止することなどを命じた大統領令について、西部ワシントン州にある連邦地方裁判所は即時停止を命じる仮処分の決定を出し、トランプ政権から不服の申し立てを受けた連邦控訴裁判所は、今週中にも判断を示すとみられています。
これについてトランプ大統領は、首都ワシントンで8日、警察官の会議で演説した際、「国家の安全のためなら入国の停止や制限など何をしてもよい。君たち警察官は理解しているはずだ」と述べ、大統領令を正当化しつつ、同意を求めました。
そして、「裁判所はかなり政治的なようだ。裁判所が正しいことを行うのが司法制度にとって重要だ」と述べ、連邦控訴裁判所は仮処分を取り消すべきだという考えを改めて強調しました。
これに対し、トランプ大統領が連邦最高裁判所の判事に指名した保守派のゴーサッチ氏が「トランプ大統領の発言はやる気をなくさせ、失望した」と述べたと有力紙ニューヨーク・タイムズが伝えました。
トランプ大統領が裁判所への批判を強めていることについて、アメリカメディアは司法の独立が脅かされているなどと批判的に伝えています。