世界の軍事費、過去最高 安保環境悪化で前年比7%増―国際平和研究所
(VOVWORLD) - 軍事費の増加は9年連続しており、欧州やアジア太平洋、中東地域で増加傾向が目立っています。特にロシアの脅威が高まる欧州では、NATO=北大西洋条約機構に加盟するほぼ全ての国が防衛支出を増やしました。
ロシアの次世代防空システム「S-400」=AFP/TTXVN |
22日、スウェーデンのSIPRI=ストックホルム国際平和研究所は、世界の2023年の軍事費が前年比で実質6.8%増の総額2兆4430億ドル(約378兆円)となり、過去最高だったと発表しました。ロシアのウクライナ侵攻や中東での緊張激化など、世界各地で安全保障環境が悪化していることが影響したと報告しています。
軍事費の増加は9年連続しており、欧州やアジア太平洋、中東地域で増加傾向が目立っています。特にロシアの脅威が高まる欧州では、NATO=北大西洋条約機構に加盟するほぼ全ての国が防衛支出を増やしました。NATOは今年3月に加盟したスウェーデンを除く31か国を合わせると、全世界の支出の55%を占めたと報告されています。
イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突など軍事的緊張が続く中東では、地域全体で前年比9%の増加があり、年間の上昇率としては過去10年間で最大となりました。アジアでは、アメリカに次ぐ世界第2位の支出国である中国が同6%増加し、中国の台頭に懸念を深める日本と台湾も、それぞれ同11%増加しました。(時事通信)