中国の3月輸出は12%増 追加関税前の駆け込みか 対米黒字も拡大
(VOVWORLD) - 中国商務省は13日に発表した報道官談話で、アメリカが「相互関税」の対象からスマートフォンなどの電子機器を除外したことに対し、「相互関税という誤ったやり方の徹底的な取り消し」を求めました。
中国・天津港(写真:VCG) |
中国税関総署が14日に発表した3月の貿易統計(ドル建て)によりますと、輸出は前年同月比12.4%増の3139億ドル(約45兆円)となりました。アメリカ向け輸出も約9%増加しており、トランプ政権による対中追加関税の本格的な引き上げを前に、企業が駆け込みで輸出を進めたものとみられます。対米貿易黒字も拡大しており、アメリカ側が問題視して中国への圧力を強める可能性があります。
米中両国は4月に入り、それぞれ100%を超える追加関税をかけ合う激しい報復措置に突入しています。香港経済日報(電子版)は、「基本的に貿易企業の輸出ラッシュはここまでだ」とする市場関係者の見方を伝えており、今後は中国の輸出に対する影響が本格化することが避けられないとしています。
3月の輸入は4.3%減の2112億ドルで、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は1026億ドルの黒字でした。前年同月の黒字は585億ドルでした。
国・地域別では、アメリカ向け輸出が9.1%増の400億ドル、輸入が9.5%減の124億ドルで、対米貿易黒字は20%拡大しました。東南アジア諸国連合(ASEAN)との輸出入も伸びており、香港経済日報は、追加関税を回避するために東南アジア経由の貿易が進んでいるとの見方を示しています。
中国商務省は13日に発表した報道官談話で、アメリカが「相互関税」の対象からスマートフォンなどの電子機器を除外したことに対し、「相互関税という誤ったやり方の徹底的な取り消し」を求めました。同時に、「一方的な相互関税という誤ったやり方を正す小さな一歩だ」とも評価しています。
また中国政府は11日、「アメリカが関税の数字ゲームを続けても取り合わない」とした上で、報復措置としての追加関税の税率引き上げを今後行わない可能性を示唆しました。中国側には、アメリカ側が譲歩しているという構図を描き、対立解消に向けた協議入りを模索する狙いもあるとみられます。(産経新聞)