入植住宅撤去で衝突=イスラエル政府、3000戸建設承認-ヨルダン川西岸
(写真:AP)
(時事)ヨルダン川西岸のパレスチナ人私有地に無許可で建設されたユダヤ人入植地アモナで1日、イスラエル裁判所の決定に基づき住民に立ち退きを求めた同国の治安部隊と、反発するユダヤ系住民らとの間で衝突が起きました。警官20人以上が負傷、逮捕者は10人以上に上りました。
1990年代に建設されたこの入植地には約40世帯、約300人が暮らしていました。パレスチナ人の土地所有者らがその合法性をめぐって訴訟を起こし、イスラエル最高裁は2014年、政府に2年以内の撤去を命令しました。今月8日まで期限が延長されていました。
イスラエル軍は1月31日、住民に48時間以内の立ち退きを命じました。翌日、警官や国境警備隊員約3000人が動員され、住居への突入などを始めました。しかし、住民や応援に駆け付けた人々は、石を投げたり、タイヤを燃やしたりして抵抗しました。「ユダヤ人を守るはずの警官が攻撃するなんて、恥を知れ」と叫びました。
一方、イスラエル政府は1月31日、西岸で新たなユダヤ人入植者向け住宅3000戸を建設する計画を承認しました。イスラエルによる入植活動を違法とみなす国際社会は、イスラエルとパレスチナの和平交渉再開が困難になるとして、懸念を強めています。