暴風雨「ボリス」による大雨が東欧を襲い、洪水による死亡者が21人に

(VOVWORLD) - 欧州中部・東部を襲った暴風雨「ボリス」による洪水被害で、死亡者が21人に増加しました。
暴風雨「ボリス」による大雨が東欧を襲い、洪水による死亡者が21人に - ảnh 12024年9月15日、ポーランド南西部のクロツコで発生した洪水(写真:PAP/TTXVN)

BBCなどが17日(現地時間)に報じたもので、死亡者はルーマニアで7人、ポーランドで6人、オーストリアで5人、チェコで3人となっており、現在も数名が行方不明の状態です。

暴風雨は先週、ルーマニアを皮切りに発生し、その後オーストリア、ポーランド、チェコ、スロバキアなど欧州中東部全域に拡大しました。被災地では浸水被害が広がり、すでに数万人が避難しました。復旧作業が徹夜で続けられています。

ポーランド南部では、3日間で年間平均降雨量の約3分の2に相当する大雨が降り、非常事態宣言が出されました。南部のクウォツコ市はほとんど全域が浸水し、当局は南西部の洪水地域から約2600人を避難させています。

チェコ国境地域のクロノフでは、人口約2万3000人のうち80%が浸水し、北東部地域では約6万世帯が停電しました。オストラヴァではダムの崩壊により、暖房設備が停止し、約28万人が温水を使えない状態となっています。また、リトブルイエ市では建物の約80%が浸水しました。

スロバキアの首都ブラチスラヴァでは、ドナウ川の水位が上昇し続け、最高値に達する可能性があるとして警告が出されています。

ロイター通信によりますと、格付け会社モーニングスターDBRSは、中欧全域の洪水による被害額を約11億ドル(約1557億円)と推定しています。

被害の拡大が懸念される中、欧州連合(EU)による支援の必要性も提起されています。ポーランドのドナルド・トゥスク首相は、EUに対して約10億ユーロ(約1575億円)の緊急財政支援を要請する計画を明らかにしました。これに対し、EU執行委員会(EC)のバラーズ・ウッズバリ報道官は、要請があれば、ポンプや救助チーム、ボート、食糧、水などの緊急救護物資を迅速に提供すると述べています。

今回の豪雨は、地球温暖化による異常気象現象の一環とされています。西欧で発生した寒波と、地中海や北海の高水温が相まって強い暴風を引き起こしたと分析されています。CNNは、欧州が最も早く温暖化する大陸であるとし、暖かくなった大気がより多くの水蒸気を保持できるため、豪雨や暴風が強まる可能性があると報じました。

英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのグランサム研究所の気候科学者、ジョイス・キムタイ氏は「欧州中部の壊滅的な豪雨は、科学者たちが予測した気候変動の結果と正確に一致している」とガーディアン紙に語り、今回の事例が世界が豪雨に対してどれほど備えていないかを示していると指摘しました。(中央日報)

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