【時事】ティラーソン米国務長官は16日にも、20カ国・地域(G20)外相会合の開催地ドイツ西部ボンで、ロシアのラブロフ外相と会談する見通しとなりました。トランプ政権発足後、米ロの外相が顔を合わせるのは初めてです。オバマ前政権下で冷戦後最悪の水準に落ち込んだ米ロ関係の改善に向け、信頼関係の構築を目指すとみられます。
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AFP/TTXVN)
ロシア外務省のザハロワ情報局長は15日、米ロ外相会談の16日開催を明らかにした上で、「前米政権のために行き詰まることになった2国間関係について話し合う」と表明しました。過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦での協力やウクライナ情勢なども議題になるとみられます。
トランプ大統領はロシアとの関係修復を重視しており、1月28日に行ったロシアのプーチン大統領との電話会談を、ホワイトハウスは「関係改善の重要なスタート」と位置付けました。
ただ、フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)が13日、就任前に駐米ロシア大使と米国の対ロ制裁について協議した疑惑に絡み辞任します。さらに米大統領選を前にトランプ氏陣営幹部らがロシア情報機関員と接触していたと米メディアが追及を強めています。アメリカ内でのロシアへの警戒の高まりが、外相会談の行方に影響する可能性もあります。