(sankei.com)ティラーソン米国務長官は16日、ロシアのラブロフ外相とドイツ西部ボンで会談しました。トランプ米政権の発足後、両国外相が顔を合わせるのは初めてです。トランプ米大統領はオバマ前米政権下で冷戦後最悪水準となった米露関係の改善を目指しており、信頼醸成の糸口を探る機会となります。
ラブロフ氏(左)とティラーソン氏(右)
(写真:AFP)
両外相は会談でウクライナ問題のほか、トランプ氏が優先するイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討に向けた相互協力の可能性などについて意見交換するとみられます。ただ、米露の関係改善の行方にはフリン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の辞任問題が影響する可能性もあります。
初外遊のティラーソン氏は16日開幕の20カ国・地域(G20)外相会合の出席のためボンを訪問しました。主要国の閣僚が一堂に会する機会では「米国第一主義」を掲げる米外交の動向が注視され、中国の王毅外相と会談するかも注目されています。
外相会合は17日までです。7月に独北部ハンブルクで開催されるG20首脳会議の準備として、「持続可能な開発」の実現に向け一昨年に国連で採択された国際目標に対する取り組みのほか、「紛争予防」や「平和維持」、アフリカとの協力について議論します。