英独が初の防衛協定に署名 長距離兵器の開発で協力

(VOVWORLD) - イギリスのヒーリー国防相とドイツのピストリウス国防相は23日、ロンドンで初の防衛協力協定に署名しました。
英独が初の防衛協定に署名 長距離兵器の開発で協力 - ảnh 1イギリスのヒーリー国防相(右)とドイツのピストリウス国防相(写真:ロイター)

英仏と独仏は既にそれぞれ2国間の防衛関連の条約を締結しており、英仏独はロシアによるウクライナ侵略を踏まえ、欧州の防衛態勢の強化を3カ国で主導して進めていく方針です。

英独は、新たな長距離攻撃兵器の開発において協力し、イギリスがウクライナに供与した巡航ミサイル「ストームシャドー」(射程約250キロ)よりも長射程かつ高精度な兵器の開発を目指しています。

また、英独は装甲車やドローン(無人機)の開発、ドイツがウクライナに供与した捜索救難ヘリ「シーキング」へのミサイル搭載においても協力することが決まりました。

さらに、北大西洋海域の防衛を強化するため、ドイツ軍の対潜哨戒機P8ポセイドンがイギリス北部スコットランドにあるイギリス空軍基地を拠点に活動できるよう調整が進められています。

独防衛大手ラインメタルがイギリスに新工場を建設し、野砲の砲身を製造することも決定しました。

ヒーリー氏は記者会見で「世界は一層危険になっており、同盟国の存在が私たちの戦略的な強みです」と述べ、連携強化の必要性を強調しました。ピストリウス氏もまた、西欧諸国の対露防衛の取り組みが停滞していたことを認め、「迅速な対応が必要です」と訴えました。

英仏は2010年に防衛協力条約に調印し、両国の核弾頭の安全性に関する協力や、両軍による合同遠征部隊の編成、互いの空母の運用協力などで合意しています。また、独仏も2019年に防衛・外交協力の深化を目的とした新条約に調印しています。

さらに、独仏とポーランドで構成される「ワイマール三角連合」は、ウクライナ支援の強化を進めています。

欧州諸国はこれらの条約や協定の枠組みを活用し、11月の米大統領選挙の結果にかかわらず、ウクライナ支援を継続し、欧州の対露防衛態勢を確立する方針を打ち出しています。(産経新聞)

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