(NHK)EU首脳会議は10日、ベルギーのブリュッセルで2日目を迎え、イギリスを除く27の加盟国が、EUの将来像について意見を交わしました。
EUはイギリスの離脱決定に加え、各国で反EUを掲げる政党が台頭し、アメリカのトランプ大統領もEUに批判的な姿勢を示すなど逆風にさらされ、結束の在り方が問われています。
会議では、すべての加盟国が足並みをそろえて統合を進めるこれまでの原則を見直し、防衛や税制などの分野で一部の加盟国が先行して統合を進める案についても話し合われました。
EUの統合のスピードを多様化するこの案は、ユンケル委員長が先週、将来像の1つとして示しましたが、フランスやドイツなどが支持する一方、東ヨーロッパ諸国は統合からとり残されるおそれがあるとして反発しています。
会議後の記者会見でユンケル委員長は「ヨーロッパを再び東西に分断するものだとの見方も出ているがそのような意図はなく、原点はあくまでEUの結束だ」と述べました。
各国は、EU創設の礎となったローマ条約の調印から60年となる今月25日に結束を確認する共同声明を出す予定ですが、その後に本格化する将来像をめぐる議論では思惑の違いが大きく、取りまとめには難航が予想されます