山崎 こんにちは、山崎千佳子です。今日もアンさんとハノイ便りを進めていきます。アンさん、よろしくお願いします。
アン お願いします。
山崎 昨年、2014年は、ベトナムの社会・文化の分野で大きな話題がありましたね。
アン そうです。昨年一年間で、ベトナムの2つのものが、それぞれ世界遺産と無形文化遺産として、ユネスコ国連教育科学文化機関から認定されたんです。
山崎 このハノイ便りでも、よくその話題をお伝えしましたね。
アン そうですね。世界遺産に登録されたのは、北部ニンビン省にあるチャンアン景観地帯、無形文化遺産に登録されたのは、中部ゲアン省とハティン省の民謡『ビー』と『ザム』です。
山崎 チャンアンはハノイから南へ96キロ、ニンビン省の省都ニンビン市の中心部から西へ7キロの所にあります。チャンアン景観地帯の総面積は2168ヘクタールで、ゆったりと流れる川のそばに、切り立った石灰岩の崖がそびえ立っていて、「陸のハロン湾」とも言われています。
アン 今までに、チャンアン景観地帯にある48の洞窟の調査が行われました。チャンアンにある洞窟は、天然の地質博物館のようだということです。洞窟からは、およそ3万年前の人類の生活の様子がわかるものや壁画も発見されています。
山崎 民謡の『ビー』と『ザム』は、ゲアン省とハティン省の259の村で大昔から歌われてきました。地元住民にとって、精神的に欠かせないもの、糧と言えるかもしれません。ベトナムの他の地方の民謡と同じように、『ビー』と『ザム』は、一般の人々の労働や生産活動から生まれたそうです。
アン ユネスコが、これらのものを世界遺産や無形文化遺産として認定したことは、世界でそれなりの評価を得ている証拠です。これから、こういった遺産を有する地方は、遺産の保全や保存活動に取り組まなければなりません。文化スポーツ観光省のダン・ティ・ビック・リエン( Dang Thi Bich Lien) さんの話です。
(テープ)
「チャンアン景観地帯がユネスコの世界遺産として登録されたことは、ベトナムにとって非常に誇らしいことです。チャンアンは、史跡など文化的な価値と自然の景観美が同時に存在する世界で唯一のものです。昔のまま保存されているチャンアンは、東南アジアで最も美しい世界遺産の一つと言えると思います。」
アン 今日のハノイ便りは、昨年、2014年のベトナムの社会・文化関連の主な話題をお伝えしています。
ここで、一曲、お送りしましょう。「~」です。
(曲)
「~」をお送りしました。
昨年、ベトナムでは「ベトナムの国境と海、島」をテーマとした国内旅行のピーアール活動が行われました。ハノイでは、「ベトナムの海と島の観光週間」が設定されました。
山崎 ベトナムの遺跡やお祭り、景勝地など、海や島の観光スポットを宣伝することはもちろん、ベトナムの人たちの愛国心や領有権問題を考える機会にもなったようです。文化スポーツ観光省のブオン・ズイ・ビエンさんの話です。
(テープ)
「ハノイで行われた“ベトナムの海と島の観光週間”は、ベトナム国内外の人々に対して、海と島の観光価値をピーアールするものでした。それ以外にも、海と島の文化的な価値を高めることや、資源保護に関して人々の認識を深めるねらいもありました。同時に、それぞれが資源保護に責任を負っていることを知ってもらうという意味も
あった活動でした。」
山崎 昨年は、少数民族の文化を広める様々なイベントも行われました。北部の山岳地帯ライチャウ省で行われた第1回タイ族文化祭り、北部のイエンバイ省で行われたムオンロ観光週間などです。北部の山岳地帯に住む少数民族独自の文化を紹介する他、これらの地方の観光ピーアールにもなっています。
アン また昨年は、「文化」に関して、いくつかの新しい政策が出されました。ベトナム共産党は、「“文化”というカテゴリーは、政治、経済、社会と同じように、重要なものとして位置付けられる」という強調しています。
山崎 これからのベトナムの発展と国際社会への仲間入りを進めていくという点で、ベトナム政府が文化の重要な役割を認識しているのがわかりますね。
アン そうですね。4月21日をベトナムの書籍デー、本の日にすることも昨年決まりました。社会への読書の普及と、読書の意義と重要性を伝えるためのものです。
山崎 ちなみに「世界 本の日」というのもありますね。これは4月23日です。1995年のユネスコ総会で採択されています。日本では秋に2週間、読書週間がありますね。
アン (「本の日」や読書に関して、一言)
では、おしまいに一曲お聴き頂きましょう。「~」です。
(曲)
「~」をお送りしました。
今日のハノイ便りは、昨年、2014年のベトナムの社会・文化関連の主な話題をお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。
Chao cac ban。