(VOVWORLD) - ベトナムの首都ハノイで、夜のカフェ文化が若者たちの生活に欠かせないものになっています。リラックスした雰囲気と活気が同居する独特な空間で、友人との語らいや勉強、仕事を楽しむ人々の姿があります。
夜のカフェ |
午後11時。多くの都市では街が静けさに包まれ、人々が眠りにつく時間ですが、ハノイでは別の生活リズムが動き出します。首都には数百軒ものカフェがあり、その中には24時間営業の店も少なくありません。深夜になっても灯りをともし続けるカフェは、若者たちにとって馴染みの居場所となっているのです。
(カフェの店内音)
ハノイ市アンカイン村出身の大学生、ミー・フオンさんのグループも、そんな若者たちの一組です。彼女たちは夜のカフェを、宿題に集中したり仕事の締め切りに追われたりする際の静かな避難所として選んでいます。
フオンさんは次のように話します。
(テープ)
ミー・フオンさん |
「ハノイで育ったので、夜の雰囲気の心地よさをよく知っています。大学生になって時間の使い方が自由になってからは、カフェで友達と会って勉強するようになりました。夜はグループワークにもぴったりなんです」
夜のカフェを訪れるのは学生だけではありません。クリエイティブな仕事をする人々にとっても、ここは大切な場所となっています。日中の喧騒から離れ、自由に思考を巡らせることができる環境。小さなテーブルと一杯のコーヒー、パソコン、そして静けさ。それだけで新しいアイデアが生まれる空間が整うのです。
夜のカフェは、眠りについた街の穏やかさを味わう時間でもあります。この特別なリズムの中で、人々は優しく包み込むようなハノイの一面を感じ取っています。
ハノイ市ドンガック地区に住んで4年になるというドアン・ヒュー・ホアンさんは、夜のカフェ文化について次のように語ります。
(テープ)
「ハノイの夜の生活は若者の自分にとても合っています。カフェでは恋愛や仕事の話をよくしますね。夜だからこそ打ち明けやすい話もあるんです。それに、昼間働く若者の生活リズムにも合っていて、本当にリラックスできます」
夜のカフェの灯りの下では、スタッフが黙々と働き、若者たちは勉強や研究に励んだり、あるいは自分だけの静かな時間を過ごしたりしています。
(注文を受ける声、客への挨拶)
こうした24時間営業のカフェは、収入を増やしたい学生たちにとっても貴重な働き口となっています。深夜からの勤務ですが、多くの学生がそこに喜びを見出しているといいます。
ファン・ダン・チュオンさん |
大学生のファン・ダン・チュオンさんは、週2回、午後11時から街のカフェで働き始めます。24時間営業店の従業員として、昼夜逆転の生活にも慣れました。深夜勤務だからこその楽しみもあると言います。
(テープ)
「僕たちは主に学生なので、午前と午後は授業があります。夜はここでアルバイトです。夜のシフトは午後11時から翌朝7時まで。夜勤は健康に悪いと思われがちですが、人それぞれですよ。自分の体調や生活リズムに合わせて働けます。夜は静かで、お客さんの数も落ち着いています。夜の客との出会いや、日中とは全く違うハノイの夜の表情を味わえることも、この仕事の魅力です」
緊張した一日の仕事や勉強を終えた後、夜のカフェは若者たちが自分を取り戻す場所となっています。長く厳しい一日の疲れを癒し、明日への活力を得る。そんな大切な役割を果たしているのです。
カフェ空間に息づくハノイの夜の生活は、親しみやすくも新鮮です。ハノイならではのこの夜のカフェ文化は、現代の若者たちの生活に深く根付き、首都の新たな魅力として定着しているようです。