DK1リグで新鮮な食品づくりを楽しむ兵士

(VOVWORLD) - 遥かに遠い沖合にあるリグに駐屯している兵士たちは、いろいろな困難を乗り越えてより充実した生活を送りながら、国の領海をきちんと守っています。
DK1リグで新鮮な食品づくりを楽しむ兵士 - ảnh 1 リグDK1

ベトナム南部バリアブンタウ省の沖合約250-350海里の大陸棚に、ベトナム東部海域(南シナ海)における海洋保安の拠点となるリグが設置されました。このリグは、領海を侵して操業する漁船の監視などのために建設されたリグハウスです。リグに駐屯している幹部と兵士たちは、厳しい状況にあっても、より楽な生活を送れるようにしながらも、任務を立派に果たしています。

正式な呼称は、「科学技術・経済サービスステーション」ですが、ベトナム語の頭文字からとって通称「DK1」と呼ばれています。DK1の建設が始めたのは1989年6月のことです。これまでに20カ所のリグが建てられましたが、現在、ベトナム南部の沖合に点在しているリグの数は15です。その中で、ヘリコプター発着場があるリグは8か所、灯台があるリグは4カ所、気象観測装置があるリグは1カ所です。

「DK1・10号」などのように名付けられているこれらのリグは3階建てですが、それぞれの階の床面積は100~240平方メートルです。一階は海面からおよそ20メートルの所にあり、幹部や兵士がシャワーをするところと淡水の貯水槽が置かれる所です。2階は生活の場と勤務の場所です。3階は雨水を取れる設備が設置されます。

DK1リグで新鮮な食品づくりを楽しむ兵士 - ảnh 2 リグに植えられている野菜

それぞれのリグには漁業管理船が備えられ、不法侵入した外国の漁船などの追放にあたっています。また、緊急時の救難にも対応しており、沖で漁業をするベトナムの漁船を支援しています。ここでは、兵士らが交替で監視・警備にあたります。若い兵士らの任期はだいたい9カ月ですが、2、3年リグで働く兵士も多いです。

かつて、リグでの生活はとても大変でしたが、現在、全国人民の援助により、リグの状況は以前と比べて格段に改善され、生活もしやすくなっており、悪天候にも耐えられるようになっています。全てのリグは太陽発電や風力発電により電気が使えるようになり、電話やテレビなどもあり、本土との距離が短くなるような感じをしています。しかし、天気状況により、リグに食品や必需品などを運ぶ船が6か月ごとに来るので、リグに駐屯している兵士たちに生の野菜や肉を提供することは課題となっています。この課題を解決するため、兵士たちは、海の厳しい状況を克服して、野菜の栽培と、豚や鶏の飼育にも成功しています。

DK1リグで新鮮な食品づくりを楽しむ兵士 - ảnh 3野菜は箱の中に植えられて、土は本土から運ばれてきます。 

DK1リグで野菜の栽培と豚・鶏の飼育を始めたのは2015年のことです。2015年までは、兵士たちの食品はほとんど缶詰と、海で釣った魚だけだったので、栄養バランスが保たれませんでした。特に、生の野菜は当時の兵士たちにとって最も食べたがる食べ物でした。しかし、現在、多くの野菜が植えられており、季節によってさまざまな野菜が食べられるようになりました。リグDK1・20号の担当者グエン・ヴァン・ラム中佐は次のように語りました。

(テープ)

「季節によって植えられる野菜は異なります。3月と4月は野菜の栽培にいい天気なので、多くの野菜が植えられますが、年末はツルムラサキやヤム類の野菜しか植えられません。」

野菜は箱の中に植えられ、土は本土から運ばれてきます。海に浮かぶリグの上に植えられるので、風や塩分対策を徹底させないと、野菜は成長できなくなります。しかし、兵士たちのいろいろな創意工夫により、リグDK1・20号では、わずか100平方メートルの栽培面積で、月に平均80キロの野菜が取れています。リグDK1・16号のファン・コン・フン少佐は次のように語りました。

(テープ)

「リグDK1が設置されたここの海は基本的に雨季と乾季の2季があります。乾季は日差しが強くてとても暑いのに対し、11月から翌年の2月まで続く雨季は台風があります。こうした厳しい気候は私たちの生活と野菜の栽培に大きな影響を与えています。いろいろな創意工夫をして野菜を遮蔽していますが、野菜は約2、3割しか成長しません。」

DK1リグで新鮮な食品づくりを楽しむ兵士 - ảnh 4リグDK1・16号で飼われている豚 

そして、リグDK1・16号は野菜栽培の他、豚と鶏の飼育に成功しているリグの一つです。野菜と同様、厳しい気候から豚と鶏をちゃんと守らないと死んでしまうので、兵士たちは、本やインターネットから飼育方法を身につけました。リグDK1・16号のチュオン・アイン・ダオ少佐は次のように語りました。

(テープ)

「私たちは、豚小屋を徹底的に遮蔽するとともに、、小屋を殺菌するためにニンニクと石灰を撒くという昔から伝わる伝統的な経験を生かしています。これにより、豚と鶏はうまく成長しています。私たちの食べ物の3割ぐらいは生の原材料から作られていますよ。」

遥かに遠い沖合にあるリグに駐屯している兵士たちは、いろいろな困難を乗り越えてより充実した生活を送りながら、国の領海をきちんと守っています。

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