カントー市のフーティウ麺生産村

(VOVWORLD) -南部メコンデルタ地域はベトナム最大の米の産地であるだけでなく、独自の文化と多くの景勝地があります。その中で、カントー市はメコンデルタ地域の中心地とされています。

カントー市の郷土料理について触れるならば、麺類の「フーティウ(Hu Tieu)」を抜きにして語ることはできないでしょう。カントー市最大のフーティウ麺生産村はカイラン伝統職業村です。昔から、この村の多くの世帯はフーティウ麺を生産してきました。

カントー市のフーティウ麺生産村 - ảnh 1フーティウ生産工房のオーナーであるサウホアイさん

フーティウは南部名物の米粉の麺ですが、カントー市には美味しいフーティウの店がたくさんあることで知られています。カントーで作られるフーティウは歯ごたえに加え、もっちりとした食感があり、ここでしか食べられないと言われています。ベトナムの麺として有名な「フォー(Pho)」が北部で生まれたのに対し、フーティウは南部の人々にお馴染みの麺です。

フーティウは豚肉をメインに、スルメや干し海老などを合わせたスープで食べる米麺料理です。しかし、フーティウの麺には2種類あります。一つはフォーのように乾燥させない柔らかな麺です、2つ目は製麺時にある工程を踏むことで、柔らかなフォーの麺にはない「コシ」を持たせたものです。その工程とは、麺生地を蒸した後に1度天日に干し、半乾きの状態にしてから裁断するのです。フォーにはないこの乾燥の工程がゴムの様にしなやかな弾力、コシを生みだすのです。

カイラン伝統職業村では多くの生産工房でフーティウが作られていますが、最も有名なのはチン・キューとサウホアイの工房です。それぞれの世帯は美味しいフーティウを作るための秘伝の技を持っていますが、最も重要な工程はコメを選ぶということです。フーティウ生産工房のオーナーであるサウホアイさんは次のように語りました。

(テープ) 

「最近、フーティウ麺の生産工程に果物や野菜を入れるようになり、様々な色の麺が登場してきたほか、栄養価値も高いことから、売れ行きが良くなっています。また、価格もこれまでの4倍で売られるようになっています。伝統的職業村は多くの困難に直面していることから、観光客がこの伝統的職業を理解するために、村を訪れることをうれしく思っています」

カントー市のフーティウ麺生産村 - ảnh 2サウホアイさんのフーティウ生産工房の製品

フーティウには2つの食べ方があります。一つはスープに麺を入れて食べる「汁フーティウ」ですが、麺を別盛りにし、甘い醤油ベースのタレであえて食べる「スープなしフーティウ」もあります。どちらも豚肉、豚ひき肉、内臓、海老などの具だくさんです。生もやしやニラ、春菊、チャイニーズセロリ、レタスなどをちぎって入れて混ぜて食べるのが特徴です。

このほか、もっとシンプルに豚肉だけのフーティウもあります。街の屋台でも売られていて、こちらの方がより一般的です。カントー市カイラン地区の市民の一人グエン・テイ・ジェム・トゥイさんは次のように語りました。

(テープ) 

「フーティウ麺生産職業村を訪れる観光客のだれもがフーティウを美味しいと言います」

現在、フーティウ麺の生産は多くの工程が機械で行われていますが、手作業の工程もまだあります。これには職人の腕の器用さが非常に重要です。フーティウ麺生産職業村の職人の一人ズオン・テイ・キム・バさんは次のように語りました。

(テープ) 

「この村で仕事をするのは楽しいです。毎日、多くの観光客が訪れます。私たちはこの伝統職業から安定した収入を得ています。観光客がフーティウ麺生産工程に参加してくれるのは、嬉しいです」

長い歳月がたちましたが、カントー市のフーティウ麺生産職業は依然として維持、保存されています。この村はカントー市を訪れる観光客にとって魅力的な観光地となっています。


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