ハノイ便りの時間がやってまいりました。
ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。
アン こんにちは。アンです。テト明け初めてとなる今日のハノイ便りは北部丘陵地帯にあるフート省ラムタオ県ソンビ村の祭り太鼓についてご紹介しましょうか?
ホアイ テト明けらしいテーマで、いいですね。
現場の音
ソンビ村の集会所にある広い庭では60才を超えた5人の男性が太鼓の練習をしています。彼らは村の「春祭り」で演奏するため、練習しているのです。その中の一人キエウ・チュン・ヒエウ( Kieu Trung Hieu)さんは次のように語りました。
(テープ)
「村人は集会所からの太鼓をきくと、その日に、村には何の行事があるかが分かるようになりました。祭りの太鼓を打つ時、心を込めて打たなければなりません。「村祭り」の太鼓を聴くと、心がうきうきしてきます。」
ホアイ ヒエウさんはこのように語りました。ソンビ村はベトナムの建国の祖フン王廟があるフート省にあるためか、フート省の多くの村と同じように伝統的文化が保存されていますね。
アン そうですね。この村はベトナムの建国の祖フン王廟があるフート省にあるため、同省にある他の村々と同じように、多くの伝統的文化が保存されていますね。
ホアイ そうですね。フン王を偲ぶ祭りの開催にあわせて、ソンビ村は伝統的市場を開きます。この市場を訪れると、竹製のベッドやお茶道具の急須などこの村の伝統的製品を買えるほか、banh ducやche lamという「ベトナム風ぜんざい」など農村部の昔からの伝統的料理が味わうことができますね。
アン そうですね。現在、ベトナムの建国の祖であるフン王時代の将軍や高官を祀る幾多の神社があるほか、多くの伝統的祭りも保存されています。毎年、春がやってくるとソンビ村には様々な祭りが行われ、地元住民のほか、ビンフク省、トェンクアン省、イエンバイ省など、周辺の各地方の住民も参加していますね。
ホアイ そうですね。昔から、ベトナムの各村の祭りでは太鼓の音が欠かせないものでしたね。太鼓の音は祭りの雰囲気を盛り上げます。ソンビ村の高齢者で文芸班のブイ・バン・タイン班長は次のように語りました。
(テープ)
「ソンビ村の集会所の太鼓は村の行事がある日に打たれます。太鼓の音を聴くと、村人はその時刻に村の高齢者が村の神様を奉っていることを知ります。誰もがその音に耳を傾けなければなりません。その音を聴くだけで、村人は今年の動向を予測できるようになります」
ホアイ タインさんの話でした。では、このへんで、ティータイムにしましょうか。
アン では、 をお聴きください。話を続けましょう。ソンビ村では1年間に、5回 太鼓を打ちますが、太鼓の演奏がきちんと行われるのは陰暦の1月3日だけです。この日はソンビ村の祭りだからですね。
ホアイ そうです。太鼓の音に乗って、村祭りの全ての儀式が行われます。その儀式は1時30分にわたって行われますから、太鼓打ちは太鼓を上手に打つだけですが、「村祭り」の全ての儀式を覚えなければなりませんね。
アン はい。祭りの太鼓を打つのは難しいわけではないですが、その音が祭りの厳かな雰囲気を醸し出しながらも、村人の心に留められるようになるためには簡単ではありませんからね。
ホアイ そうですね。ソンビ村の住民であるブイ・バン・キさんは「幼い頃から、村の集会所での太鼓の音を聴くことが大好きである」と述べ、次のように語りました。
(テープ
「ソンビ村の太鼓の音は神聖なもので、村人の平安と繁栄を祈るため打たれます。そのため、全ての人々はその太鼓の音を耳にするとじっとしていなければなりません。」
ホアイ キさんの話でした。ソンビ村の静かな雰囲気の中に響き渡る村の太鼓の音が自然を呼び起こして、豊作と村人の幸福を祈るようなものです。
アン そういうわけで、ソンビ村の太鼓班は村の祭りの1ヶ月前から、太鼓の練習を始めますね。
ホアイ そうなんです。ソンビ村の人々は太鼓の音を通じて、村の運を予測できると信じこんでいます。ソンビ村の高齢者文芸班のブイ・バン・タイン班長は次のように語りました。
(テープ)
「太鼓の音がスムーズに響くと豊作となります。太鼓の音が途切れないとその年の天候が順調で、村人が平穏な生活を送れることになります」
ホアイ タイン班長はこのように語りました。いにしえの昔いから、ソンビ村の人々の精神的拠り所として、祭りの太鼓の音は欠かせないものとなってきましたね。
アン そうですね。そのため、この村の人々はどこに行っても、村祭りでの太鼓の音を忘れることができないそうです。
ホアイ すごいですね。では。おしまいに、歌をお聞き頂きながら、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。
アン リスナーのみなさん。今日のこの時間はソンビ村の祭り太鼓をご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はこれで終わります。来週のこの時間にまた、お会いしましょう。ごきげんよう。
Chao cac ban