チュダウ村の陶器



ホアイ  こんにちは、ホアイです。

ソン  こんにちは、ソンです。ベトナムの陶器について言えば、だれもがバッチャン焼きを思いますが、今日のこの時間はベトナムの北部の伝統的陶器生産村としてもよく知られているチュダウ村の陶器についてお伝えします。

ホアイ チュダウ村はどの辺にありますか?

ソン そうですね。ベトナム語で、チュダウというのは船が泊まる場所という意味です。現在、この村は北部ホン川デルタにあるハイズオンに位置し、ホン川の一流域であるタイビン川沿いにあります。この川に沿って、ハノイに行ったり、海に行ったりすることができ、貿易活動に便利なところです。


チュダウ村の陶器 - ảnh 1

ホアイ チュダウ陶器の生産は14世紀から17世紀頃まで盛んに発展しましたが、その後、戦争などの理由で無くなった時期がありました。チュダウ陶器の復活は1980年に、在ベトナム日本大使館の幹部が当時のハイフン省(現在はハイズオン省とフンイエンン省)に宛てた手紙から始まったものです。

ソン その手紙とはどんな内容のものですか?

ホアイ 手紙の中で、その外交官は次のように書いています。「先ごろ、トルコ のイスタンブールを訪れた際、私はそこにある トプカプサライ美術館を見学した。そこで、高さ54センチのあるベトナム製の花瓶を見えた。その花瓶には13の漢字が書かれた。その意味はこの瓶の絵付けをしたのはナムサック州に住んでいるブイティヒさんが1450年に描かれたものです。

ソン この手紙をきっかけに、忘却の身となっていたチュダウ陶器の復活のための努力が1983年に始まりました。そして、2003年、ベトナム科学者は中部クアンナム省の沖合いにあるクー・ラオ・チャム島の付近に沈没した船からチュダウ陶器およそ40万点が発掘されました。

ここで、一曲お送りしましょう。「~」です。

(曲)

「~」をお送りしました。

ホアイ 中部クアンナム省で沈没したとされる船から大量のチュダウ陶器が発見されたこと、そして、その独特な価値への注目が集まりました。2001年、ハノイ貿易総公社はチュダウ陶器の釉薬、生産技術、製品のモデルなどの復元のため研究に着手しました。チュダウ陶器株式会社のグェン・ヒュ・ヒェップ副社長は次のように語りました。

(テープ) 

「科学研究の結果、チュダウ陶器の釉薬を見つけました。昔の人々は化学物質をまったく使わずに、自然から得たものを使いました。私たちはもち米の籾殻を利用して、釉薬にしますから、品質は安定しています。絵付けの顔料も自然のものを利用しました」


チュダウ村の陶器 - ảnh 2

ホアイ チュダウ陶器の絵柄と形式などは北部ホン川デルタの素朴な美しさを表しています。チュダウ陶器株式会社のグェン・フイ・キェン生産担当副社長は次のように語りました。

(テープ)

「現在、チュダウ陶器の生産には伝統的技術の他、近代的な技術も導入されています。この陶器に描かれている絵柄は昔から伝わるものと共に、顧客の需要に応えるため、新しい絵柄が加えられます。チュダウ陶器の最も特別なのは釉薬です。この釉薬は籾殻を燃やした灰から作られるのです。昔のチュダウ陶器の職人はこの釉薬を使いましたが、現在の私もその釉薬を引き続き利用しています。また、チュダウ陶器には絵付けをした後に、釉薬を覆います、チュダウ陶器の原材料はいずれもきれいに精製されてから使用されます」

ホアイ 昔から現在まで、チュダウ陶器はすべて、職人の手作業で作られています。これにより、この陶器は独自の美しさを保っています。

ソン チュダウ陶器の職人の一人であるチャン・ティ・ガン( Tran Thi Ngan) さんは次のように語りました。

(テープ)

「それぞれの伝統的職業は独特な方法がありますが、チュダウ陶器に飾り付ける絵柄は農業や日常生活に密接に結び付いています。絵付けという仕事をするのは、簡単ではありません。熟練職人になるためには、時間がかかる他、この仕事に対する熱心さも欠かせません」

ソン チュダウ陶器の復活のかたわら、チュダウ陶器株式会社は他の企業や地元の住民と連携して、伝統的職業村の観光開発に力を入れています。彼らはチュダウ陶器を展示するための広い展示スペースを設置する他、チュダウ陶器の創始者を祀る祠堂を建設しました。


チュダウ村の陶器 - ảnh 3

ホアイ 先ほどのチュダウ陶器株式会社のグェン・ヒュ・ヒェップ副社長はさらに次のように語りました。

(テープ) 

「私たちはチュダウ陶器をベトナムを始め、世界の高級の陶器というイメージを作るため全力を尽くしています。これと同時に、国内外の観光客も見学できる伝統的職業村を建設しています。現在、陶器生産の他、村の環境や景観に配慮しています」

ホアイ チュダウ村の古い陶器が世界の32カ国と地域の46箇所の博物館に展示されていますが、チュダウ村の新しい陶器が世界の20カ国に輸出されています。チュダウ陶器はベトナム陶器生産部門の誇りとなっていますね。

ソン そうですね。では、おしまいに一曲お送りしましょう。「~」です。

(曲)

「~」をお送りしました。

今日のハノイ便りは、チュダウ村の陶器についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。

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