テト用品を生産するベトナムの伝統職業村

山崎  こんにちは、山崎千佳子です。今日もアンさんとハノイ便りを進めていきます。アンさん、よろしくお願いします。

アン  お願いします。ベトナムで一年間のメインイベントの旧正月、テトまで、あと10日となりました。

山崎 そうですね。木曜のおしゃべりタイムでも、アンさんとテト渋滞について話したんですが、今はベトナム中、テトの準備で大忙しといったところでしょうか?

アン そうです。ベトナム人にとって、旧正月は大事なものですから、どこの家でも「テトは準備万端で迎えなければ」と考えるんです。特に、昔からテト用品を作ってきた、いわゆる伝統職業村の人たちは大忙しです。

山崎 今日のこの時間は、そのテト用品を生産するベトナムの伝統職業村についてお伝えします。


テト用品を生産するベトナムの伝統職業村 - ảnh 1

アン 中部のトゥアティエンフエ省には、多くの伝統職業村があります。中でも、タインティン村は紙製の花作りで有名です。300年前から行っているということです。現在、タインティン村の30世帯が紙の花を生産しています。

山崎 古都のフエを始め、周辺に住む人々は、テトの時に、紙製の花を買い求めるということです。紙の花は、家に飾る他に、祭壇や寺院などのお供え物として使われるそうです。タインティン村のグエン・ホア村長の話です。

(テープ)

「タインティン村の紙の花作りは、300年前から行われています。毎年、テトの時期には、村の住人は、畑仕事の他に、紙の花を作ります。この昔から伝わる仕事の収入はあまり高くはありませんが、村の伝統職業を守るため、みんなで紙の花作りを続けていきます。」

山崎 同じくトゥアティエンフエ省のシン村では、テト用の木版画の生産で忙しくなっているようです。500年前からあるこの木版画村は、毎月、旧暦の1日と15日、そしてテトに使われる木版画を生産しています。60年にわたって、シン村の木版画生産に携わっているキー・ヒュー・フオック ( Ky Huu Phuoc) さんの話です。

(テープ)

「シン村の木版画は主に宗教活動で使われます。ベトナムでは、これらの版画を神様にお供えしてから、燃やすんです。昔からこの版画の需要はとても多いです。トゥアティエンフエ省だけでなく、中部にある地方は、シン村の木版画を使っています。」

テト用品を生産するベトナムの伝統職業村 - ảnh 2

山崎 今日のハノイ便りは、テト用品作りで忙しい伝統職業村についてお伝えしています。ここで、一曲お送りしましょう。「~」です。

(曲)

「~」をお送りしました。

山崎 ここまでのところで、ベトナムの人たちはテトに、紙製の花や木版画を用意することがわかりました。この他にも、スーパーなどではテト用のお菓子なども店頭に並んでいるのを見かけます。アンさん、そういうお菓子には、どんなものがありますか?

アン 山崎さん、「ムットグン」は知ってますか?

山崎 ムットグン?ですか?

アン はい。ムットグンは、伝統的なお菓子の一つで、ショウガの砂糖漬けの干したものです。有名なムットグンの産地は、フエにあるキムロン地区です。ここの人たちは、今、忙しくなっていますね。

山崎 キムロン地区のムットグンは、何か特別なんですか?

アン はい、フエ市で栽培されているショウガから作られているんですが、この小さいショウガは香りがいいんです。

山崎 なるほど。ここで、キムロン地区で50年もムットグン作りをしているというチュオン・ディン・トゥー( Truong Dinh Thu) さんの話です。

(テープ)

「うちのムットグンは美味しいですよ。でも今は、ベトナムの多くのところでムットグンを作っているので、キムロン地区のムットグンの生産量が減っています。去年は3トンから4トン作りましたが、今年は少なくなると思います。でも、ムットグン作りをやめることはできません。テトに合わせてショウガの砂糖漬けをするのは楽しいですし、収入もありますからね。」

山崎 中部のトゥアティエンフエ省でのテト用品作りをご紹介しましたが、南部ビンフオック省の伝統職業村でも忙しくなっているようです。

アン そうです。ビンフオック省のリュー・チー・クオン( Luu Chi Cuong) さん一家は、テトに飾り物として使われる250本の金柑の木の手入れで多忙を極めているようです。

山崎 ここのところの天候は、金柑の生長にいいようです。現在、金柑の木の高さは概ね1メートルを超えているということです。クオン ( Cuong) さんの話です。

(テープ)

「今年の金柑の木は大きいので、去年の価格で販売できれば、いいお金になります。今年の値段はまだわからないですが、去年は1本300万ドンで売れました。」

山崎 同じくビンフオック省に住むドー・バン・トゥエン ( Do Van Tuyen) さんは、ヒマワリ栽培を行っています。現在、500本のヒマワリを育てているトゥエンさんの話です。

(テープ)

「ヒマワリ栽培は3か月かかります。テトのおよそ1か月前に、つぼみをつけるようにします。そして、花が咲かないように、水をたっぷりやります。水をやらないと、花が早く咲いてしまうんです。ヒマワリ栽培は、本当に天気次第です。」

山崎 中部のトゥアティエンフエ省や、テトによく使われるものを生産しているベトナム全土の伝統職業村は、今、テト用品作りで大忙しのようです。

アン そうですね。こういった人たちのおかげで、テトを迎えることができるんですね。

山崎 ほんとですね。では、おしまいに一曲お送りしましょう。「~」です。

(曲)

「~」をお送りしました。

今日のハノイ便りは、テト用品作りで繁忙期を迎えているベトナムの伝統職業村についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。 

Chao cac ban。

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