ホアイ  こんにちは、ホアイです。 

ソン  こんにちは、アンです。今日のこの時間はベトナム南部の民間芸能ドンカータイトゥ( Don ca tai tu)の若い才能の芽であるドゥ・テイ・ゴック・ガムについてお伝えします。

ホアイ ドンカータイトゥって、どんな音楽ですか？

ソン　そうですね。元々はフエの宮廷雅楽から派生したもののようです。19世紀の終わり頃にベトナム南部で広まり、南部を代表する民間芸能になりました。

ホアイ ドンカータイトゥって、聞いただけでは分かりいくいですね。どんな意味なんですか？

アン ドンカータイトゥは漢字で書くと「琴歌才子」と表記しますが、琴に合わせて歌う才子という意味だそうです。ベトナム語で、才子は楽器も歌もできるという意味があります。

ホアイ ドンカータイトゥは一般の市民が集って、地面で座って農作業の後などに演奏する事が多く、プロの音楽家によるパフォーマンスというよりは一般の農民の娯楽として演奏されていますね。

ソン　ドンカータイトゥーで演奏される主な楽器はキムという弦楽器を始め、グイエット、コー、チャン、バウという５種類の弦楽器です。芸人たちは伝統的な歌曲に基づいて、自分流に演奏します。このことはドンカータイトゥー芸術を聞く人にとって、魅力がありますね。

ホアイ そうですね。ドンカータイトゥーには約２０曲の基本的な歌曲があり、喜びを表現する６つの曲、祭礼の時に演じられる７つの曲、喜びや楽しみを表現する３つの曲、寂しさ、別れを表わす４つの曲があります。その後、ドンカータイトゥーには楽師、芸術家により作られた他の１８の曲があります。

ソン　１世紀に渡り、ドンカータイトゥーという芸術が発展し、南部に根付いた精神の特質を表わしています。

ホアイ さて、今日のこの時間はドンカータイトゥの若い才能であるドゥ・テイ・ゴック・ガムについてですが、ガムちゃんはどこに住んでいますか？

ソン　ガムちゃんは南部ソックチャン省ミートゥ県ロンフン村モイ集落に住んでいます。ソックチャン省は南部メコンデルタ地域にあり、これはドンカータイトゥが盛んな地方の一つです。

ホアイ 今年１４歳になったガムちゃんですが、バクリエウ省ラジオ・テレビ放送局が主催した「ドンカータイトゥの子どもの喉自慢大会で２等賞に選ばれました。その後、多くのリスナーはガムちゃんの甘い歌声に魅せられています。

ソン　ガムちゃんは貧しい家庭に生まれましたが、６歳の時からドンカータイトゥの芸能になじんでいます。ガムちゃんの最初の先生は母方の祖父です。

ホアイ その後、祖父は自分の友人である優秀な芸人 ドン・ホアン・ナム( Do Hoang Nam) さんに紹介しました。これにより、１１歳の時から、ガムちゃんはナム先生の指導により、ドンカータイトゥの練習に励んできました。ガムちゃんについて、ナムさんは次のように語りました。

（テープ）

「私の教え子には「人民芸人」という称号をもつ人など優秀な芸人になる人が多くいますが、ガムちゃんは最年齢少です。その上、ガムちゃんはドンカータイトゥが大好きで、聡明な生徒です。ドンカータイトゥの中には難しい節があるものを学んでも、覚えが早いです。」

ホアイ ガムちゃんは幼い頃から、ドンカータイトゥの環境の中で成長してきたので、ドンカータイトゥのメロディーがいつのまにか自分の心に染み込んだのもしれません。

ソン　ガムちゃんは小さいながら「自分の成功は家族全員の支持によるものである」と述べ、次のように語りました。

（テープ）

「家族は両親、祖父母だれもが私を応援しています。毎日、学校から帰った私は祖父母とドンカータイトゥの練習を行います。また、ナム先生とも一緒に練習しています。ドンカータイトゥの喉自慢大会に参加したいからです。」

ソン　現在、ガムちゃんの家族と芸人ナムさんは「今後、ガムちゃんがプロの芸人になるため、ドンカータイトゥを引き続き練習することを望んでいます。

ホアイ ガムちゃんの師匠の「優秀芸人」 ドン・ホアン・ナムさんはさらに次のように語っています。

（テープ）  

「ガムちゃんがドンカータイトゥのプロの芸人になるために育成することを予定しています。高校を卒業してから、ガムちゃんをホーチミン市にある芸能人を目指す人が学ぶ舞台大学に入学させます」

ホアイ 甘い声と自信たっぷりのパフォーマンスにより、ガムちゃんが先ごろ行われた「ドンカータイトゥの子どもの喉自慢大会の審査委員会の委員の心を奪いました。この喉自慢大会での成果はガムちゃんが今後もドンカータイトゥのプロの芸人になるという夢の実現に重要な最初の一歩となることでしょうね。

ソン　そうですね。ドンカータイトゥを始め、伝統的芸能に興味を持つ若者が少なくなっている背景の中で、ガムちゃんのような才能ある人は本当に貴重ですね。

では、おしまいに、ガムちゃんの歌声で、ドンカータイトゥをお送りして、お別れとしましょう。「～」です。

（曲）

「～」をお送りしました。

今日のハノイ便りは、民間芸能ドンカータイトゥの若い才能の芽ドゥ・テイ・ゴック・ガムについておついてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。