(VOVWORLD) -北部ホン川デルタにあるハナム省タインリエム県タンハー村の伝統的刺繍とレース編みの工芸は長く前から北部でよく知られています。地元の刺繍とレース工芸は 1893 年に誕生し、現在まで 130 年の歴史を持っています。
地元の史書文書によりますと、1886年、タインハー村アンホア集落に生まれたグエン・ディン・タン氏は、刺繍の方法を学んだ後、子孫に教えました。それ以来、地元で刺繍、レースの工芸が発展し始めました。
タインハー村に住む刺繍の職人ホアン・ゴック・トゥエンさん |
地元の人々は、グエン・ディン・タン氏をアンホア集落の刺繍工芸の創始者としてたたえています。タインハー村に住む刺繍の職人ホアン・ゴック・トゥエンさんは次のように語りました。
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「刺繍工芸は先祖が昔から伝えてくれたものです。この工芸は1980年に盛んに発展しました。村の人々はこの伝統工芸を基礎に、家計を立てています。私たちは手作業で刺繍しています。私たちの製品は世界の多くの国々に輸出されています」
グエン・マイン・トゥン会長 |
タインハー刺繍の製品を作るプロセスは、工夫を凝らしたものなので、時間がかかります。タインハー村の輸出用刺繍・レース伝統職業村協会のグエン・マイン・トゥン会長は次のように語りました。
(テープ)
「刺繍方法は様々です。また、刺繍の模様には動物、花、植物、人物など、多種多様で豊かです。 タインハー村の刺繍製品には、テーブルクロス、シーツ、枕、トレイ、バッグなどがあります」
1975 年~ 1999 年まで、タインハー工芸村が盛んに発展し、刺繍やレースの製品が国内消費のニーズに応えるだけでなく、旧ソ連、東欧諸国をはじめ、世界中の国々に輸出されました。しかし、 2000 年いらい、国内市場の需要が縮小しているほか、外国市場は製品の品質と生産時間に関して厳しい要求を出していることから、この伝統工芸村は国内外の市場に生き残るための対策に全力を尽くしてきました。
地元の行政府は伝統工芸の維持、発展に積極的に支援しています。これにより、現在、タインハー村のいくつかの刺繍製品がOCOP=一村一品プログラムの製品として認定されました。タインハー村人民委員会のグエン・テイ・トェン副委員長は次のように語りました。
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「私たちは伝統工芸の維持、発展を重視しています。また、私たちはタインハー伝統工芸村の刺繍やレース製品をハナム省のOCOP プログラムに参加するため登録しました。そのほか、伝統工芸村の観光ツアーも企画しました。
地元の行政府の支援するかたわら、タインハー伝統工芸村の職人も市場の要求に応えるため製品の形式と品質の改善に絶え間なく取り組んでいます。タインハー村の手作りの刺繍は有名なブランドとなっています。タインハー村のホアンアイン輸出用刺繍会社のファム・シー・ミンさんは次のように語りました。
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「わが社の製品は手作りの刺繍で、糸はフランスから、生地はイタリアから輸入されたものです。品質に関するお客様の要求に応えるため、手刺繍を行うのは熟練した職人が行うものです。これと同時に、品質マネジメントシステムに関する国際規格 ISO認証が必要で、生産工程もより厳しくなり、製品の検査は完璧でなければなりません。私たちは製品に関して、最後まで責任を持たなければなりません。つまり、消費者が製品について苦情を言った場合には、補償または製品を返品しなければなりません。しかし、製品の販売価格は高くなり、利益も高くなります」
近年、タインハー村では手作りの刺繍のほか、機械で刺繍する世帯も多くあります。タインハー村のアンフオン輸出用刺繍会社のハー・テイ・ヒェップさんは次のように語りました。
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「私たちはこの10年余りは機械刺繍も行ってきました。今日、多くのお客様は刺繍の早期納入を求めています。機械刺繍がであれば、価格も手頃で、品質も優れています。そこで、お客様への製品の生産を早やめるため、機械刺繍に切り替えました」
2021年5月27日、文化スポーツ観光省はタインハー村の刺繍工芸を国家無形文化遺産として認定しました。現在まで、タインハ村の刺繍製品が、日本、韓国、イタリア、フランス、アメリカ、ドイツ、イギリス、スイスなどを中心に、世界の多くの国々に輸出されてきました。