ハノイ旧市街の遺跡の保存と開発

(VOVWORLD) - ハノイ旧市街には、100カ所以上の遺跡の他、建築的価値を持つ古い家屋が数千軒あるので、複合的な遺跡地区と見なされています。こうしたハノイ旧市街は2004年に国の遺跡として認められました。それ以来、ハノイ旧市街の保存と開発事業は一段と進められており、多くの成果を収めています。

ハノイ旧市街はハノイの中心地とされるホアンキエム湖の北側にあり、その面積は約82ヘクタールです。この旧市街は、「ハノイ36通り」とも呼ばれていて、ハノイに都が置かれていた頃から栄えてきた地域で、今なお古い街並みが保存されています。

ハノイ旧市街の遺跡の保存と開発 - ảnh 1 ハノイ旧市街にある国家遺跡バクマ神社

旧市街の36通りはその昔、通りごとに同業組合があり、その通りが36あったことに由来します。フォン(坊)と呼ばれた通りは銅の鋳造、金や銀細工、シルク、布地の経営などを営んでいました。旧市街36通りの名前の最初に「ハン(Hang)」という文字が付いています。「ハン」は製品、店舗という意味です。昔、旧市街の通りはサービス、製品などによって名づけられたからです。

旧市街で生活する人々は同じ村の出身者なので、同じ生活様式を送っていました。その当時、店舗と倉庫は家の前部分に置かれ、生活空間は店と倉庫の後ろ部分にありました。そのため、旧市街の家は間口が狭く、細長い設計の建設で「チューブハウス」とも呼ばれる伝統的建築様式が形成されました。

ハノイ旧市街36通りには宗教活動に関わるものも残っています。手工芸職人は遠い田舎から都に移動した時、有名な手工芸品のみならず、自分たちの宗教や信仰も持ってきました。それぞれの職業村に一つ以上のお寺や職業村を開業した人を祭る神社がありました。

現在も、ハノイ旧市街には、お寺や社、村の集会所など長い歴史を持つ多くの宗教施設が残っているほか、これらの施設につながる祭りの多くが保たれています。ハノイ旧市街管理委員会のチャン・ティ・トゥイ・ラン副委員長は次のように語りました。

(テープ)

「これまで、ハノイ旧市街には国の遺産として認められた遺跡が25カ所あり、それらは、キムガン集会所や、トゥティ集会所、ドンラク集会所、クアンデ神社などです。また、無形文化遺産を保存するため、私たちはタンロン・ハノイ文化遺産協会と協力して、「ハノイ旧市街とホアンキエム湖周辺で伝統的な祭りの開催」というプロジェクトを展開しました。これにより、レ王朝の即位式を再現する祭りや、イエンタイ集会所の祭り、旧市街の中秋節など14件の祭りが回復されました。その他、旧正月テトの花市場や、遺跡で伝統的な工芸の披露会も行われています。」

ハノイ旧市街の遺跡の保存と開発 - ảnh 2 ハノイ旧市街にある国家遺跡クアンデ神社

ハノイ市はハノイ旧市街の価値を保つために、寺院や古い家屋を保存するとともに、無形文化の保存と開発にも力を入れています。例えば、ホアンキエム湖の周辺とハノイ旧市街の一部で毎週末に開かれている歩行者天国では、伝統的な文芸公演や民間遊戯がよく行われ、歩行者天国の目玉活動となっています。また、それぞれの通りでは、その通りの歴史や特徴などを紹介する看板が設置されることも検討されています。ハノイ民間文芸協会のド・ティ・ハオ副会長は次のように語りました。

(テープ)

「石碑や王朝の公文書などハノイ旧市街の寺院で保存されている遺産を全部調査・研究しなければなりません。その後、公にして市民に紹介します。また、英語などに翻訳し、外国人観光客にも紹介します。そして、旧市街で盛んに反映してきた伝統的な職業の博物館を設立することも良いアイデアだと思います。」

現在、ハノイ市は、旧市街の遺産に関するデータバンクの構築を検討しています。また、ハノイ旧市街を世界遺産であるタンロン王城遺跡の一部として認めるよう政府に提案することも検討されています。国家文化遺産評議会の委員ダン・ヴァン・バイ氏は次のように語りました。

(テープ)

「ハノイ旧市街は価値のある観光資源です。また、国の特別遺跡になるに値します。ハノイ旧市街は元々タンロン王城の欠かせない部分なので、世界遺産であるタンロン王城の一部として政府とユネスコに認めるよう提案することができます。」

こうしたハノイ旧市街はまるで古の昔にタイムスリップしたかのような古い町並みと、現代の街並みが入り混じり、不思議な魅力となっていると言えるでしょう。

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