ベトナムでの原宿ファッション

(VOVWORLD) - 原宿ファッションがベトナムにやってきたのは2005年の夏のことだそうです。

ホアイ こんにちは、ホアイです。

ソン こんにちは。ソンです。ホアイさん、近年、ホーチミン市やハノイで「ちょっと何?」という衣装を着ている若者を見かけますね。彼らに聞くと、「日本の“原宿ファッション”だよ」と言うんですよね。

ホアイ そうですね。約10年前から、ホーチミン市やハノイのティーンエージャーたちは、海外から入ってきたヒップホップ風の服装を好むようになっていますが、その中、より型破りな原宿系ファッションを追っているようですね。

ソン そうですね。このところ、ホーチミン市やハノイでは、「原宿ファッション」と称するものが流行の兆しを見せています。ベトナムでは全く新しいファッションである原宿ファッションは、伝統を重んじることで知られているハノイっ子の間でも人気が上昇しているというのは面白いですね。では今日のハノイ便りはハノイの若者たちの「今どき」の原宿ファッションもどき事情についてお伝えします。

ベトナムでの原宿ファッション - ảnh 1

ホアイ はい。原宿ファッションがベトナムにやってきたのは2005年の夏のことだそうです。実際、原宿に行ったことがないベトナムの若者たちなので、日本と違うベトナム的「原宿ファッション」というわけですよね。

ソン そうですね。ベトナムの若者たちがイメージする「原宿ファッション」とは、「周りの人がどう思っても気をせずに、ともかく個性的な服装」ということのようです。具体的には、丈の長いシャツに細身のパンツを合わせる、パンツを低い位置にずらしてはく、首や手にアクセサリーをじゃらじゃらつける、などといったスタイルをさします。でも、「エイプ/APE」などに代表される裏原系のほか、はてはロリータやエモなど、日本では前者のスタイルとは一線を画すカテゴリーのものまで、ベトナムでは「原宿ファッション」と呼ばれています。どうも、日本の若者たちの先端ファッションすべてひっくるめて「原宿ファッション」として認識しているという感じですね。

ホアイ そうですね。こうした認識で、靴下からジャケット、スカートまでピンク系に統一し、髪までピンクに染めるというスタイルや、黄色い上着、赤いパンツ、オレンジのキャップに緑の靴を付けるというものも含めて原宿ファッションと呼ばれています。こんな奇抜な組み合わせの若者の姿も、見慣れたものになりつつあります。

ソン こうした若者たちは一部の若者を含む多くの人から「ばかげたまねをするな」とか、「きちんと着るもんだよ」とか、「伝統を守ろう」などとの批判を受けています。それでも、原宿ファッションがベトナムにやってきた当初、若者の間で原宿ファッションブームが起きたと言われましたね。

ホアイ そうですね。原宿ファッションがベトナムに伝わってから1年後の2006年に、ざっと数えただけで、ハノイにはこのファッション系のお店が10軒近くになったそうです。「原宿系」の若者たちは、ホーチミン市ではダイヤモンド・プラザ、ハノイ市ではヴィンコム・タワーなどのショッピングセンターやアミューズメントスペース、ミュージックバーなどによく出現しました。「原宿ファッション」をテーマとしたパーティーを催したり、デートに出かけたりする若者も多くいました。

ソン しかし、その後、このブームは廃れてしまいました。原宿ファッションはだんだん消えていったかのようです。その原因として、当時、原宿ファッションのファンと呼ばれたものの、彼らのほとんどが原宿ファッションそのものに魅了されたということではなく、ただ猿真似をするだけだったということです。

ホアイ 若者ファッションのデザイナー グェントゥイリーさんによりますと、「当時、ベトナムでは、自分には個性があるよと自己主張するために、原宿ファッションとされる服装を身にまといました。でも、実際、彼らは個性なんてなくて、たんに猿真似しただけなんです。また、そのファッションは変な服装だと思った若者たちもいました。そのためか、原宿ファッションは一時的に後退しました。でも最近、原宿ファッションの本物のファンが増えつつあり、これは着実に発展していると思います。」との話です。

ソン リーさんが話した通りですね。近年、原宿ファッションブームとは言えませんが、このファッションが軌道に乗っている気がします。たまに行われる原宿ファッションのイベントを見れば、その傾向がわかるでしょうね。

ホアイ そうでしょうね。にぎやかな雰囲気の中で、色彩豊かなの型破りな服装が披露されたこれらのイベントを見に行くと、まるで東京の原宿周辺に迷い込んだ感じがしましたから。

ソン なるほどね。これらのイベントはかつてないプロによるもので、ベトナムでの原宿ファッションに新風を吹き込んだと評価されています。

ホアイ 原宿ファッションに興味を持っている報道宣伝学院の学生マイフォンさんによりますと、「ベトナムでは、原宿ファッションとコスチュームプレーはますます発展していると思います。以前の原宿ファッションのイベントはかなり簡単なものでした。また、最近のイベントに出されたデザインの質も高まったと思います。そして、イベントを見に行った若者たちもこのファッションに対するより深い知識を持っていると思います。毛嫌いする人も多いですが、私はこのファッションに対して社会全体がより寛容な見方をすることを望んでいます。」という話です。

ソン ファッションデザイナーによりますと、日本の原宿ファッションはあまりに個性的過ぎるため、日本のものを少しソフトにしたスタイルが大人気で、ベトナム流の原宿ファッションが形成されつつあるのかもしれないということですね。

ホアイ そうですね。ベトナムでの原宿ファッションの発展は若者の国際性を育成すると共に、ベトナムと日本の若者の相互理解を深めると思います。では、おしまいに一曲お送りしましょう。「~」です。

(曲)

「~」をお送りしました。今日のハノイ便りは、ベトナムの若者たちの「今どき原宿ファッション事情」についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。

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