ベトナムのテトに多く披露される「四霊舞踏」

(VOVWORLD) -縁起の良いとされる霊獣)のうちの、 麒麟・霊亀・応龍・鳳凰を 四霊と呼んでいます。

ホアイ んにちは、ホアイです。

ソン こんにちは。ソンです。ベトナムの伝統的旧正月テトまで残すところわずかとなりましたね

ホアイ そうですね。この所、誰もがテトの準備で忙しいですが、今日のこの時間はテトの時期にベトナムの多くの地方でよく披露される「四霊舞踏」についてお伝えします。

ソン 4つの霊「四霊舞踏」はどんなものか?ちょっと簡単にご紹介しましょう。

ベトナムのテトに多く披露される「四霊舞踏」 - ảnh 1 (写真:dangcongsan.vn)

ホアイ はい。縁起の良いとされる霊獣)のうちの、 麒麟・霊亀・応龍・鳳凰を 四霊と呼んでいます。ベトナムだけでなく、日本も昔からこの「 四霊」というイメージが多くの人々にとって馴染み深いものだと思います

ソン 実際、これは古代中国の儒学者によって社会秩序や道徳規範などが記された書物の中に登場する伝説上の生き物とされていますね。

ホアイ そうですね。想像上の4頭の動物はそれぞれ意味があります。竜は権力、麒麟は平安、鳳凰は幸福、霊亀は長寿を表しています。

ソン そのためか、「四霊舞踏」を披露することで、その1年に幸福が訪れるよう祈る意味合いがありますね。

ホアイ そうですね。春がやってくるとベトナムの多くの地方で、この「四霊舞踏」の音が賑やかに響き渡っています。

現場の音

ソン これはハノイ郊外にあるミードゥク県フォンソン村ドゥクケー集落の「四霊舞踏」クラブが演奏している音声です。舞台は広い庭です。庭には麒麟・霊亀・応龍・鳳凰という四霊が登場しています。霊亀はゆっくりと安定した動きを披露しています。

ホアイ そして、カラフルな配色の鳳凰は大きな翼を広げ、首を上下に伸縮させながら優雅に移動しています。赤く塗られた麒麟は頭を上下に揺らしながら活発に動き回っています。全身が金色に塗られた応竜は蛇のように素早く体をくねらせて踊っています。四霊舞踏に登場する4つの動物について、歴史学者レー・バン・ラン( Le Van Lan) 教授は次のように語っています。

(テープ)

「四霊は昔からベトナムでは神聖な動物とされていました。応竜はかつて王の象徴とされていました。麒麟は忠誠心があつく、災いを防ぐとされています。霊亀は長寿と社会の平安を表しています。鳳凰の2つの目は太陽と月、背中が空など体で宇宙全体を表し、鳳凰が舞う時に宇宙が躍動して循環するとされています。」

ホアイ 昔から、祭りや旧正月テトなどの祭日に四霊舞踏がよく公演されていました。祭日に、楽しい雰囲気を作り出すだけでなく、この舞踊は神様に感謝の気持ちを表わすものでもあります。先ほどの、歴史学者レー・バン・ラン( Le Van Lan) 教授の話です。

(テープ)

「テトの時、四霊舞踏を披露するのは非常にふさわしいものです。ですから、この舞踊には豊かな生活、幸福への願いが込められているのです。テトは四霊舞踏の意義を十分に示すチャンスだと思います。」

ホアイ 四霊舞踏の最も大きな意義は国の安泰、順調な天候、人々の幸福を祈願するというものです。四霊舞踏にはそれぞれの舞踊が自らの意義を持っています。

ベトナムのテトに多く披露される「四霊舞踏」 - ảnh 2(写真:bao dan viet)  

ソン 特に、ハノイ郊外にあるミードゥク県フォンソン村にあるフォン寺の祭りに披露される四霊舞踏はこの4つの神聖な動物を仏門に入らせるという意味があります。仏門に入らせてから、これらの4つの動物は神と化します。

30年間にわたり、四霊舞踏を公演した経験があるファム・バン・フン( Pham Van Hung) さんは次のように語りました。

(テープ)

「寺院に入ると、四霊はいずれも頭を下げて、仏様に礼拝します。フォンソン村には麒麟の舞踊演目にはこん捧がなければなりません。こん捧を手にする人は武士です」

ホアイ 昔から、ベトナムの旧正月テトに披露された四霊舞踏はテトの雰囲気を賑やかなものにして、ベトナムの伝統的文化の一つとなっていますね。

ソン そうですね。四霊舞踏の音はテトに欠かせないものであると言っても過言ではないでしょう。

では、おしまいに一曲お送りしましょう。「~」です。

(曲)

「~」をお送りしました。今日のハノイ便はベトナムの四霊舞踏についてお伝えしました。それでは今日はこの辺で。


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