ベトナムの子守唄とその保存活動

 

ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。

アン こんにちは。アンです。昔から、ベトナム人にとってハットズー(Hat ru)子守唄は貴重な精神的糧となってきました。今日のこの時間はベトナムの子守唄とその保存活動についてお話しましょうか。

ホアイ はい。いいですね。

子守唄

子守唄はベトナムの民謡の中で、最も早く生まれ、子の世代から次の世代に伝えられています。

アン ベトナムの子供たちは生まれた時から、毎日、母や祖母が歌う子守唄の中で眠りにつきました。子守唄はゆったりと、静かなメロディーがあります。これらの子守唄を通じて、お母さんやお婆さんは子供たちに自分の気持ちや生活の教訓などを伝えていますね。

ベトナムの子守唄とその保存活動 - ảnh 1


ホアイ そうですね。子供が子守唄を聴くと自分に対する親や祖父母からの気持ちが伝わります。例えば、北部の子守唄は次のような内容があります。「愛しい子よ、おやすみなさい。お母さんは稲田で野良仕事のためまだ帰ってこない。もし、漁に行くと、魚を持って帰り、愛しい子に与える」ということです。

アン 子守唄の歌詞は主に民謡や童謡と同じものですから、簡単であるものの叙情的なものですが、それぞれの地方にはそれぞれに違う子守唄がありますが、どんな子守唄も子供を寝かすためのものですね。

ホアイ そうですね。では、この辺でちょっと休憩にして歌をお聴きいただきましょう。

ベトナムの子守唄とその保存活動 - ảnh 2

話を続けましょう。幼い時から、子守唄の中で育ち、成長する子は人と人との感情や気配りを重視するというベトナム文化の価値を深く理解できるでしょう。中央音楽絵画師範大学のファム・ホン・フォン( Pham Hong Phuong) 講師は次のように語りました。

(テープ)

「戦争中に、私は北部丘陵地帯フート省に疎散しました。当時、電気があまりなく、母や祖母が子供たちを寝かせるため、うちわをあおぎながら、子守唄を唄いました。これらの母や祖母は歌手でも芸術家ではありませんが、子守唄を唄うとき、その歌には子に対する自らの気持ちが込められていますから、子供たちがその感情を実感でき、安心して寝てしまいました。」

ホアイ ホン・フォン講師の話でした。残念ながら、現在の生活には親たちが子守唄を唄い、子供を寝かせることが徐々に少なくなっているということですね。長年にわたり、外国に在留していますが、母国ベトナムの民間音楽の研究に生涯がささげているチャン・バン・ケ( Tran Van Khe) 教授は次のように語りました。

(テープ)

「私は1976年、25年ぶりにし、フランスから帰国し、北から南まですべての地方を訪れました。新しい生活環境のせいか、戦争のせいか母親たちがあまり子守唄を歌わないのでびっくりしました。これは残念だと思います。子守唄は母が子へ初めて教える音楽からです。」

ホアイ チャン・バン・ケ教授の話でした。子守唄が家庭の中で、親から子へと歌い継がれていますから、子守唄には曲は同じでも様々な歌詞があることはまれではありません。都市化が進み、そして、近代的な生活で母親たちが忙しくなり、子供に子守唄をきかせるチャンスも少なくなりましたね。

アン そうですね。ベトナム文化スポーツ観光省は子守唄を維持、保存するため、近年、各地方と協力して、子守唄の喉自慢大会を開いています。子守唄を維持、保存に取り組んでいる芸術家のカオ・ティ・ヒェン( Cao Thi Hien)さんは次のように語りました。

(テープ)

「私たちは子育て中の若い両親に対し、子守唄を教えるコースを開きます。子守唄には子供の教育、故郷への愛着などが示され、子供の心によいのです。今日、子守歌が少なくなっているため、これらの歌の保存に力を入れています」

アン カオ・ティ・ヒェンさんはこのように語りました。子守唄はベトナムの伝統文化の一つで、今後も、この文化の美しさの保存にさらに取り組んでゆく必要がありますね。

ホアイ そうですね。では、ここで子守唄をお聴き頂き、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。

アン  。。。。。をお送りしました。リスナーのみなさん。今日のこの時間はベトナムの子守唄についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はここで終わります。来週のこの時間に又お会いしましょう。ごきげんよう。            Chao cac ban。

 


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