(VOVWORLD) - 女性たちがいつでもどこでも着られる実用的なアオザイと呼ばれています。
ホアイ こんにちは、ホアイです。
ソン こんにちは、ソンです。今月の3日から25日まで、ホーチミン市で、アオザイフェスティバル2018が行われていますね。
ホアイ そうですね。5回目を迎えた今回のフェスティバルはアオザイファッションコンテストや、アオザイファッションショー、3000人の参加によるアオザイパレード、アオザイに関するシンポジウムなど様々な活動が行われています。
ソン はい。その中で、4日夜、ホーチミン市の歩行者天国となったグエンフエ通りで、「アオザイと実用的ファッションの傾向」をテーマにしたファッションショーが行われ、市民の日常生活に使用されているアイザイのコレクションが披露されました。
ホアイ ベトナム女性の伝統衣装「アオザイ」は見た目は美しいですが、女性の日常生活にとって不便だといわれている中、このショーは実用的なアオザイを紹介し、女性たちの注目を浴びているそうですね。
ソン そのようですね。近年、便利で気軽に着られる実用的なアオザイが話題になっていますね。では、今日のハノイ便りはベトナムの実用的なアオザイについてお伝えします。
ホアイ ベトナムの伝統的な民族衣装アオザイは世界的にも幅広く知られていて、日本のメディアなどでもよく紹介されているようですね。これまでもVOV日本語放送のハノイ便りや、ベトナム紹介などでも、何回も紹介していますが、ここでもう一度ご紹介します。
ソン アオザイは「アオ」が服、「ザイ」は長いという意味ですから、「長い服」という意味になります。丈の長い上衣とパンタロンがセットになった伝統的な民族衣装です。アオザイは、結婚式や披露宴、お祭りのような大切なイベントで着られるほか、女子生徒の制服として純白のアオザイを採用している学校もあります。
ホアイ こうしたアオザイはどの時代においても、ベトナムの文化的シンボルとして考えられてきました。しかし、この伝統的な服装が今から約4000年も昔に現れ、幾多の変遷を経てきたことを知る人は少ないようです。
ソン 文化研究者たちによりますと、紀元前4世紀ごろから紀元1世紀ごろまでベトナム北部のホン川デルタを中心に発展した青銅器時代のドンソン(Dong Son)文化の頃、古代ベトナム人は2枚の前垂れのついたアオザイを着ていたようです。これは、ドンソン文化の代表的な祭祀遺物である銅製の太鼓の図柄に描かれています。
ホアイ 現在のアオザイの細身でスリットの深いデザインは、19世紀の終わりから20世紀の半ばまでのフランス植民地時代に改良されました。女性の体型にピッタリ合い、パンタロンと組み合わせられ、両脇のスリットがウエストまであるため、“風にそよぐアオザイ美”といわれています。
ソン アオザイはシルエットだけでも、エリの高さや形、上着のすその長さ、パンタロンの幅やすそのデザインなど、微妙に変わり、模様も豊富です。
ホアイ アオザイはかつて日常的な普段着として使われましたが、1970年代以降、動きに不便という理由で、アオザイを街中で見かけることはめったになくりました。しかし、2000年からはさまざまなデザインや素材とともに再び注目を集めるようになりました。最近ではジーンズと合わせるアオザイなども考案されていますね。
ソン はい。特に、快適さと熱帯気候への適合性のほか、首が細く見えるなどのファッション性をもとめるデザインが支持されているそうです。それは、女性たちがいつでもどこでも着られる実用的なアオザイと呼ばれています。
ホアイ 例えば、この5年ぐらい流行っている新しいデザインとして、少し丈が短くゆったりとしたカジュアルなアオザイが挙げられますね。
ソン そうですね。体にそこまでぴったりと張り付いているわけではなく、 スカート部分はボリュームがあり、ボトムもひざが出ているようなものもあるんです。生地もシルクではなく、どちらかというとナチュラルな素材でカジュアル目な感じかな?
ホアイ 私も、重要なイベントで着る伝統的なアオザイのほか、日常生活で気軽に着られるそのカジュアルなアオザイも持っていますよ。
ソン そうですか。こうしたアオザイの流行は伝統に反するという理由で批判された声もありますが、実用的なアオザイを着ている女性を町でよく見かけているのは、社会がそのアオザイを認めているってことでしょうね。
ホアイ そうですね。実は、4千年の歴史を持つアオザイは時代の流れに伴う幾多の変遷を経てきましたね。現在の実用的なアオザイはその変遷の一つだと思います。有名なアオザイデザイナー シー・ホアンさんは次のように話しています。
(テープ)
「アオザイは着る人の個性も表現するもので、人によってそのデザインや美しさが異なってもいいと思います。最も重要な課題は、アオザイ姿は、重要な行事だけでなく、平日の学校・職場・日常生活でもよく見かけられるようにするということです。」
ホアイ 実際、近年、平日でもアオザイを着ている女性の姿は多くなっているようです。週2回ぐらいアオザイを着るというルールを持つ職場や学校が増えつつありますね。
ソン そうですね。今月ホーチミン市で行われているアオザイフェスティバル2018を機に、ホーチミン市行政府の関連各機関の女性たちは3月中、毎日アオザイを着て職場に行っています。ホーチミン市女性連合会で働いているフォン・チャさんは、実用的なアオザイが誕生してから、アオザイを着て職場へ行くのが好きになっています。30冊のアオザイを持っているフォン・チャさんの話です。
(テープ)
「末端組織へ行くとき、いつも実用的なアオザイを着ていますよ。そのアオザイはきれいで、動きやすいです。私は、どこでもいつでもアオザイを着ることができますよ。」
ソン 一方、アメリカの企業アムウェイコーポレーションで働いているゴック・ヌオンさんは、外国人とよく会うので、アオザイを着用しています。ゴック・ヌオンさんの話です。
(テープ)
「小さなイベントや普通の会議は、実用的なアオザイをよく着ますね。そして、接客するときも、その実用的なアオザイを着ます。実用的なアオザイならば、現代生活に合うので、その変遷はいいと思います。」
ソン 実用的なアオザイが流行っているにもかかわらず、伝統的なアオザイは依然として、大切な行事などに欠かせない存在です。ミスコンなどの国際的な美の祭典では、ベトナム代表が身につける服装として、アオザイがいつも第1候補であり続けています。そして、2014年にホーチミン市で「アオザイ博物館」が開設したほか、同市で毎年「アオザイフェスティバル」が行われているなど、この民族衣装の伝統を守る努力が活発になっていますね。ではおしまいに、一曲をお送りしましょう。
(曲)
「 」をお送りしました。今日のハノイ便りは、ベトナムの民族衣装アオザイの新しい動き「実用的なアオザイ」についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。