ベトナム中部にある世界遺産「ホイアン」は、16世紀に交易の港町として栄えた時代に建設された古い町並みで世界的にも有名です。しかし、この町を訪れる観光客は落ち着いた旧市街の雰囲気を満喫できるだけでなく、ここの飲食文化、特に、ストリートフードを満足することでしょう。

ホイアンのストリートフード

アメリカの有名な旅行雑誌「トラベル・アンド・レジャー」は、ホイアンを「世界の最も素晴らしい町」の一つとして選び、「ホイアンは、独特な建築様式の他、豊かなストリートフードを誇りにしていると評しています。また、世界初の料理人団体で構成された国際組織である世界司厨士協会連盟もホイアンをベトナムの飲食の都として認定しています。

ホイアンは一年で暑い日が多いですが、豚の焼肉は最も人気のあるストリートフードの一つです。夜になると、街角に座って、この焼肉をたくさんの野菜とともに、ライスペーパーの中に巻いてから、特製のたれにつけて食べるのは、ホイアン市民の楽しみの一つです。市民の一人ヴォ・ティ・キム・スィエンさんの話です。

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「香りもいいし、美味しいですよ。雨の日に食べるともっとおいしくなりますが、晴れた日でも、そういう焼肉を見ると、すぐ食べたくなるのです。今日は、焼肉8本食べましたが、10本を食べられる日もあります。」

多くの観光客もこの食べ物を引き付けられています。ホーチミン市から来たヴォ・ティ・ゴック・ハインさんの話です。

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「初めてホイアンに来ました。そして、ホイアンの初焼肉を食べました。その味は特別で、美味しかったです。」

ホイアンの焼肉

ホイアンの焼肉がいつからあったのかわかりませんが、その味はかつてとは変わらないとしています。長年、焼肉を売っているチャン・ティ・フォンさんの話です。

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「長年やっていますよ。私のおばあさんもやりました。この食べ物は食べやすいし、いつもでも食べられます。ライスペーパーは、米粉からできていますが、肉は秘密のレシピで調味料などを使って焼きます。」

ホイアンのストリートフードについて触れるならば、ベトナム風のサンドイッチであるバインミーを抜きにして語ることはできません。中でも、フォンという店のバインミーは最も有名です。この店でバインミーを買うため長い行列ができる光景はお馴染みになっています。バインミーとは、長さ20センチほどの柔らかいフランスパン（バゲット）に切り込みを入れ、バター、パテを塗り、野菜、ハーブ類、肉などをはさみ、ヌックマム（魚醤）を振り掛けた食べ物です。

フォン店でバインミーを買うため長い行列

世界的に有名なシェフとして知られるAnthonyさんがこのバインミーを世界で最も美味しいバインミーとしてから、この店はホイアンに足を運ぶ観光客にとって見逃すことができない目的地となっています。この店のバインミーを買う人たちの行列の中にいた一人チャン・ティ・トゥ ・チャンさんは次のように話しました。

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「ホイアンが大好きで、チャンスがあれば旅行に行きます。ミークアンやカオラウなどホイアンの食べ物が好きですが、一番好きなのはこの店のバインミーです。この店のバインミーの味は特別で、いつもお客さんで込み合っています。数時間待ってから始めてバインミーを買った時もありますよ。」

フォン店のバインミーの他、ホイアン旧市街にはカオラウ ( Cao Lau) やミークアン( Mi Quang) などの名物料理もあります。カオラウはうどんのようにコシがある麺料理です。具は店によっても異なりますが、メインは豚肉、揚げたライスペーパー、もやし、香草です。スープは少量ですので、麺とよく絡めてから食べます。濃い味付けなので、麺によく染み込むのが特徴です。

ミークアンはホイアンというより中部地方を代表する料理です。麺はカオラウと比べると柔らかく、味も薄味です。具は豚肉にハム、海老、レタス、たまごが主です。せんべい状に揚げたライスペーパーを砕いて入れるとより食感が楽しめます。これらの名物料理はホイアン旧市街のシンボルとなっています。

ホイアンのチキンライス

そして、ホイアンのもう一つの有名なストリートフードはコムガー（Com Ga）です。コムはご飯、ガーは鶏なので、チキンライスという意味です。これは鶏の炊き込みご飯で、鶏の出汁で炊いたご飯と鶏の身を一緒に頂く料理です。ハノイから来たレ・トさんは次のように話しました。

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「ここに来る度に、必ずカオラウとコムガーを食べます。ハノイにもコムガーがあります。ホイアンのコムガーは独特な味があります。とてもおいしいですよ。カオラウもホイアンならではの味がすると思います。」

こうした世界遺産ホイアンは国内外の観光客を魅了するストリートフードの天国と言っても過言ではないでしょう。