伝統的なお茶で成功を収めた女性起業家

(VOVWORLD) - レ・ティ・ホン・フォンさんは、故郷フート省タインバー県の伝統的なお茶を復活させ、成功を収めた女性起業家です。大胆な発想と行動力、そして情熱を武器に、2016年に地元の特産品を基に起業しました。それから8年後、彼女が経営する「UTティー」のブランドは国内外の多くの市場で認知されるまでに成長しました。

「チェ・ブップ・ティム(Che bup tim:紫芽茶)」は、フート省とタイグエン省に主に分布する稀少な茶の品種です。特徴的な香りと味わいがあり、抗酸化作用のあるアントシアニンなど、健康に良い栄養素を豊富に含んでいます。紫芽茶の木は、熟したプラムのような紫色の先端を持ち、若い葉柄は赤く、時には芽も赤または紫色になるのが特徴です。

伝統的なお茶で成功を収めた女性起業家 - ảnh 1UTティーを初会しているホン・フォンさん(左から2番目)

ホン・フォンさんは、紫芽茶の発祥地の一つであるフート省タインバー県ドーソン村の出身です。就職先はたくさんありましたが、彼女は故郷で起業することを決意しました。28歳の時、ハノイでUTティー投資開発有限会社を設立し、初期資本金はわずか3億ドン(約12000ドル)でした。1年以上の苦難を経て、会社の緑茶製品は徐々に顧客に認知されるようになりました。ホン・フォンさんの話です。

(テープ)

「私はタインバー県出身で、お茶の産地に生まれ育ちました。そのため、故郷のお茶を使って何か特別なものを作り出し、独自のブランドを確立したいという強い思いがずっとありました。調査を重ねる中で、タインバー地域特有の紫芽茶について多くの情報を見つけることができました。この発見が、私の事業の転機となったのです」

故郷への愛着から、2017年に会社をフート省タインバー県に移転しました。困難に直面しながらも、彼女は一人で工場を建設し、機械を購入し、従業員を採用・訓練しました。自ら茶の加工方法を研究し、品質管理に細心の注意を払いました。3年以上の努力の末、会社は安定し、国内はもちろん、パキスタンや台湾、イギリス、ドイツなど海外の多くの市場で地位を確立しました。ホン・フォンさんは次のように語りました。

(テープ)

「紫芽茶は、他の多くの茶種には見られない豊富な活性成分を含んでいます。この特徴に魅力を感じ、私はこの貴重な茶種を復活させようと決心しました。現在では、20ヘクタール以上の農地でこの品種を栽培するまでに至りました。この紫芽茶こそが、私の起業を成功に導いた主力製品なのです」

伝統的なお茶で成功を収めた女性起業家 - ảnh 2女性実業家を対象とする起業コンテストで講演中のホン・フォンさん

絶え間ない革新と創造性を追求し、2020年には新たな加工施設を建設し、最新の機械に投資しました。特に、紫芽茶の生産と加工に力を入れています。ホン・フォンさんは、紫芽茶の独自の価値に焦点を当て、ブランドを構築しています。

(テープ)

「現在の茶市場には多くの有名ブランドがありますが、フートー省のお茶はまだ強力なブランドとして確立されていません。私個人としても、また企業としても、国内外のお茶愛好家の皆様にフートー省の特産品であるUTティーを知っていただきたいと考えています。そこで私たちは、この地域特有の紫芽茶を中心にブランドを構築することに力を入れています」

高品質の原料を確保するため、地元農家と連携し、有機栽培の指導を行っています。紫芽茶は通常の緑茶の7〜8倍の価格で買い取りを保証し、農家の収入向上にも貢献しています。現在、約17ヘクタールの栽培地で年間25トンの新鮮な紫芽茶を収穫しています。

(テープ)

「お茶の生産において、有機栽培への移行は避けられない流れだと考えています。なぜなら、有機栽培こそが環境に優しく、消費者の安全を守りつつ、持続可能な農業を実現できる唯一の方法だからです」

ホン・フォンさんの努力により、タインバー県の紫芽茶製品はフートー省からOCOP5つ星認証を受けました。また、彼女のプロジェクトは2023年のベトナム女性連合会主催のコンテストで2位を獲得しました。

彼女は若い起業家たちに向けて、「農業分野、特にグリーン経済や循環経済の分野には多くのチャンスがある」とエールを送っています。困難に立ち向かい、革新性と創造性を持って成功を収めたホン・フォンさんの姿は、多くの人々に前向きなエネルギーを与えています。

ご感想

他の情報