ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。
アン こんにちは、アンです。今日のこの時間は北部バクニン省のドンホー版画についてご紹介しましょうか?ホアイさん
ホアイ いいですね。ハノイに隣接している北部バクニン( Bac Ninh) 省は民謡クァンホの発祥地として知られているだけでなく、多くの伝統的文化を保存しています。その中の一つはベトナムの有名な民芸版画であるドンホー版画を抜きにして語ることはできません。バクニン省トァンタイン( Thuan Thanh) 県ソンホー( Song Ho) 村のドンホー版画製作は400年の歴史があります。ハンチョン版画、キムホアン版画とともに、ドンホー版画はベトナムの有名な伝統的版画の一つですね。
「ネズミの嫁入り」
アン ドンホー版画は、元々お正月を彩る版画として飾られてきました。昔、貧しかったベトナム人の各家族はせめてお正月だけでも華やかに彩りたいという思いから生まれたと言われています。
ホアイ そうですね。ドンホー版画独特の価値はその木版と色彩、及び、版画のモチーフにありますね。
アン ドンホー版画を守り続けている一人として知られているグエン・ダン・チェ( Nguyen Dang Che)さんは400年の長きに渡り、代々ドンホー版画を作る家庭に生まれましたね。
ホアイ はい。チエさんは「時が経つと共に、ドンホー版画に対する情熱は変わらない」とうち明け、次のように語りました。
(テープ)
「ドンホー版画には庶民の日常生活、信仰、お祝い事などを反映しています。他の版画と違って、ドンホー版画はインスピレーションで描かれています。ドンホー版画は民芸版画なので、画家の名前はまったくありません。この版画の内容はとても豊富です」
親鳥と雛
ホアイ ドンホー版画を見ると昔の庶民の日常生活、民間遊戯、生産活動、祭りなどを理解することができます。また、ドンホー版画を通じて、生活の教訓や正しいことそうではいことを教えます。画家グェン・ダン・ズンさんは「ドンホー版画それぞれがひとつの物語である」と述べ、次のように語りました。
(テープ)
「外国人は「ネズミの嫁入り」など物語性のあるドンホー版画が好きです。「ネズミの嫁入り」という絵は封建時代の生活を描いています。ネズミは庶民を、そして猫は役人を表しています。この版画はネズミの嫁入りの行列の途中に大きな猫が横たわっていますが、この行列が通りすぎるまで静かにしてもらえるように猫に貢ぎ物を渡している様子が描かれています。一方、「親鶏と雛」という版画は家族の幸福を描かれています」
ホアイ 画家ズンさんの話でした。では、このへんで、ティータイムにして、歌をお楽しみいただきましょう。
トゥイ・チーが歌った「我が故郷」でした。
話を続けましょう。ドンホー版画は見る人によって、様々な見方ができます。年齢や生活経験により、理解の仕方も違います。
アン 例えば、豚の版画は繁殖力のある親豚と子豚を描き、「子孫繁栄」を表現しますが、農民の立場から見ると、飼育用の子豚の選び方を教える版画とされていますね。
親豚と子豚
ホアイ ベトナム工芸村協会のリュ・ズイ・ザン( Luu Duy Dan) 副会長は次のように語りました。
(テープ)
「ドンホー版画には多くの特別な意義があります。例えば、「ネズミの嫁入り」や「椰子の実採り」などは生活の教訓を示しています。説明しなければ意義が伝わらないでしょう」
ホアイ ザン副会長の話でした。ドンホー版画は手すきの紙に5色の版木を使って印刷します。また、色合も植物から採った4~5色の天然素材で手刷りですね。
アン そうですね。ドンホー版画はベトナムの民間職人の巧みさと創造性を示しています。そういう理由か、ドンホー版画は多くの人々の心を奪っています。ドンホー版画を愛好する一人のグェン・ティ・ホア( Nguyen Thi Hoa) さんは次のように語りました。
(テープ)
「ベトナム人ならば、誰もがドンホー版画を知っています。私にとって、ドンホー版画の美しさは色彩と天然素材だけでなく、これはベトナムの民間文化の一つであるということにあります。ドンホー版画はベトナム文化遺産の一つであり、ベトナムの独自の民間芸術でもあります」
アン ホアさん、ありがとうございました。ドンホー版画の独特の価値により、先頃、ドンホー版画は国家から無形文化遺産として認定されました。
ホアイ また、ベトナム文化スポーツ観光省は北部バク・ニン省の協力を得て、ドンホー木版画が世界無形文化遺産の認定に向けて、 UNESCOに申請する計画があり、資料の作成は来年2014年末の完成を目指していますね。
アン では、ここで歌をお聴き頂き、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。
ミータムが歌った「私の村」をお送りしました。リスナーのみなさん。今日のこの時間は時間北部バクニン省のドンホー版画についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はここで終わります。来週のこの時間に又お会いしましょう。ごきげんよう。
Chao cac ban。