(VOVWORLD) - 最近、ベトナムのSNSソーシャルネットワークでは、ホーチミン市の皮膚病学病院の医師や看護師たちが歌う「新型コロナ・プレーボーイ」というラップが流行っています。医療関係者らは、新型コロナとの闘いの先頭に立っているだけでなく、人々を励ますという役目も果たしています。
「新型コロナ・プレーボーイ」を歌っている医療関係者 |
国際社会の注目を集めているベトナムの新型コロナとの闘いにおいては、音楽が重要な役割を果たしています。ベトナムは音楽を新型コロナウイルスへの対応策として活用した初めての国です。2020年2月に、ベトナム保健省が人気歌手グループと共同制作した動画が「ユーチューブ」で公開されました。この動画はこのグループのヒットソング「Ghen(嫉妬)」を替え歌にして、アニメ仕立てにしたもので、「嫉妬したコロナさん(Ghen co Vy)」と名付けられました。陽気なメロディーにウイルス予防対策の歌詞を合わせて、動画付きで子供にも分かりやすく、ユーモラスに紹介しています。「嫉妬したコロナさん」は、音楽を新型コロナへの対応策として活用する動きを始めました。その後、この動きはベトナムだけでなく、多くの国にも広がり、世界の新型コロナとの闘いに大きく貢献していると評されています。
ベトナムでは、この1年、新型コロナをモチーフにした多くの歌が作曲され、国民を鼓舞しています。特に、最近、「新型コロナ・プレーボーイ」というラップが流行っており、若者の注目を集めているそうです。
(テープ)歌「新型コロナ・プレーボーイ」
お聞きいただいているのはホーチミン市の皮膚病学病院の医師や看護師さんらが歌う「新型コロナ・プレーボーイ」です。この歌はこの病院で働いている医師Vu Thangさんと薬剤師Truong Tan Phatさんが共同で、有名なラップ曲「村のプレーボーイ」を替え歌にしたものです。ベトナム保健省が対応策としてベトナム語でKを頭文字とする5つのメッセージを実践するよう人々に呼び掛けたことはそのきっかけになりました。Vu Thangさんは次のように話しました。
(テープ)
「私は、ホーチミン市のチョーライ病院やハノイのバクマイ病院など全国の一流病院の医師らが新型コロナの第3波の震源地ハイズオン省とクアンニン省に集まって新型コロナとの闘いの先頭に立ったという風景を見て感動してこのラップを制作することにしました。医師らの多くは、疫病を制圧するまで帰らないという決意を持っていました。また、保健省は新型コロナウイルス感染症の対応策としてKを頭文字とする5つのメッセージを出したので、これらのメッセージを人々に伝えるために、その内容をラップに取り入れました。」
「5K」メッセージはマスク、消毒、間隔、多くの人が集まらないこと、そして、健康申告という簡単な内容ですが、これは今までベトナムが新型コロナとの闘いで収めてきた成果の基盤となっています。そのため、医療関係者など新型コロナとの闘いの先頭に立っている人たちの苦労を減らすために、国民にこの「5K」メッセージを実施してもらうのが「新型コロナ・プレーボーイ」の主な目的です。このラップを歌ったホーチミン市の皮膚病学病院の介護士レ・ティ・ニュ・ゴックさんは次のように話しました。
(テープ)
「このラップを歌う時、現場で先頭に立っている同僚の苦労が頭の中に浮かびましたが、国民全体が団結し合って、医療関係者を大いに励ましていることがわかりました。私も医療関係者なので、微力ながらも新型コロナとの闘いに貢献したいと思います。」
「5K」メッセージを伝える「新型コロナ・プレーボーイ」はユーチューブやフェースブックなどで掲載され、高い好評を得ています。特に、フェースブック上ではこのラップをシェアする動きが広がっています。「新型コロナ・プレーボーイ」を共同で作曲したもう一人はホーチミン市の皮膚病学病院の薬剤師Truong Tan Phatさんで、彼は、このラップは医療関係者の気持ちを物語り、人々に「5K」メッセージの実施を訴えるもので、作曲する時、自然にその歌詞が浮かんだと述べ、次のように語りました。
(テープ)
「作曲するときの気持ちは特別です。頭の中では医療関係者が堂々として感染地帯へ向かってウイルスと闘う姿勢が浮き彫りとなりました。皆、防護服を着て感染地帯に入って行く光景をみて、人々にマスクの着用などを呼び掛けるという歌詞が自然に出てきました。」
新型コロナウイルスとの闘いが長引くかもしれないので、このラップの生き生きしたメロディーと意義深い歌詞は人々にとって大きな励ましとなることでしょう。