新型コロナウイルス感染症の拡大は国民の生活に大打撃を与えており、多くの人々に脱力感をもたらしています。そのため、脱力感から抜け出すことは一人一人はもちろん、社会全体にとって差し迫った課題となっています。「必勝を期するベトナムのため」という絵画・作文コンテストは前向きなエネルギーを広げることを通じて、この課題の解決に役立っていると評されています。

応募作品の展示会

難病状態にある子どもや体の不自由な子どもたちを対象にしたこのコンテストは新型コロナとの闘いに必ず勝利するというメッセージを発信し、ベトナム国民の努力を鼓舞するためのもので、8月8日から9月24日までの期間に全国各地に住む1000人以上の子どもたちから2300点の応募作品がありました。その中からの200点の絵と50点の作文が選ばれ、ハノイ市内のベトナム美術博物館と、ウエブサイト「https://vimotvietnamtatthang.vn」で展示されています。

新型コロナとの闘いでは、最前線に立つ医療関係者などを初め、全国民を鼓舞するために、いくつかの絵画・作文コンテストが行われましたが、今回のコンテストは以前のものと比べて、その社会的効果がかなり大きいです。「必勝を期するベトナムのため」コンテストは、ガンやうつ病、枯葉剤による後遺症など難病にかかる子どもを対象にしたものだからです。

コンテスト組織委員会の委員ミン・ニャンさんによりますと、新型コロナとの闘いでは、医療関係者を始め、多くの人たちが困難を乗り越えて疫病と堂々と戦ってきたことは人民各層を大きく鼓舞してきましたが、難病と闘っている子どもたちが難病による苦労を乗り越えて、純真な絵と作文を書いたことは全国民にとってより大きな励ましとなっています。ミン・ニャンさんの話です。

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「コンテストを通じて、こうした子どもたちの前向きなエネルギーを広げて、ベトナムの人々に必勝を期するという信頼を抱いてもらいたいと思います。コンテストに参加した子どもたちは難病のせいで毎日苦しい生活を送っていますが、国は必ずパンデミックを乗り越えるという確信を堅持してるからです。」

コンテスト応募者の中で最も若いレ・グエン・イエン・ニーちゃん（6歳）の作品

一方、コンテストの審査委員会のリュー・ハ委員長によりますと、このコンテストは応募作品の配置や言葉遣い、描き方など専門的な要素というより、その作品に潜んでいる子どもたちの努力の方に重点を置いているとしています。リュー・ハ委員長の話です。

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「このコンテストはプロのコンテストと違って弱者である難病にかかった子どもを対象としたものです。作品を作るとき、医療設備が周りに並んでいる子どももいれば、ペンを握ることや座ることもよくできない子どももいました。私たち審査委員会は、こうした姿を見て感動し、作品の中には震える文字や揺れる線があったものの、それらの後ろに潜んだ大きな努力がわかりました。」

普通の子どもたちにとって、作文や絵を書くのは難しいことではありませんが、難病にかかった子どもたちの多くにとっては難題となりました。点滴につながれている子どもが夢中に絵を描いている姿はその子どもの治療にあたっている医療従事者にとって大きな励ましとなりました。ガンにかかったグエン・ヴ・ズイくんの治療にあたった医師の話です。

（テープ）

「ペンなど絵画用具を持てれば、夢中に絵を書きました。食べることも休むことも忘れて絵を書きました。疲れすぎる時や、医師に辞められるときだけ、一時的に休みましたが、ちょっと休んだ後、また絵を書き続けました。私たちは誰もが彼の姿を見て涙を堪えきれませんでした。」

一方、ズイ君にとって医療関係者は自分をガンから守るとともに、コロナウイルスを撲滅する本当の英雄です。ズイ君の話です。

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「コロナウイルスは人類の最も危険な敵ですが、お医者さんや看護師さんはその敵をやっつけるスーパーマンのようですよ。」

「必勝を期するベトナムのため」というコンテストに応募したすべての作文と絵は様々なテーマがありますが、前向きなエネルギーがいっぱいという共通点があります。そのため、これらの作文と絵の展示会はハノイ市民の注目を集めています。ハノイ市民の話です。

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「難病にかかったにも関わらず、強い意志を持っている子どもの作文と絵を集めた展示会に行くのは今回が初めてです。これらの作文と絵はどんなに大変でも楽観視して前に進むという精神を広げて社会を鼓舞する大きな価値を持っていると思います。」

「必勝を期するベトナムのため」コンテストのこうした精神は新型コロナとの闘いに大きな原動力を作り出し、さらに広げてゆく必要があります。