(VOVWORLD) -現在、ベトナムは、27の世界遺産がユネスコ教育科学文化機関により認定されています。
ベトナムの文化遺産はベトナムに居住している54民族の貴重な財産であり、ベトナムの長い歴史の中で維持、保存されてきました。これらの文化遺産の維持、保存は先進的、かつ、民族色豊かなベトナム文化づくりの土台となっています。
ハロン湾(写真:thegioidisan.vn) |
現在、ベトナムは、27の世界遺産がユネスコ教育科学文化機関により認定されています。その他、ベトナムは3450の国の文化財、100の特別な遺跡、160点の国の宝物、290の国の無形文化財、8000の祭りがあります。
ベトナムの世界遺産は全国各地に点在しています。中部古都フェの遺跡群は1993年に有形文化遺産として認定されました。北部ハロン湾は自然の風景と地質・地形において、1994年と2000年の2度にわたり、ユネスコから世界遺産として認定されました。
中部ホイアン旧市街は1999年に世界文化遺産に、チャンパ文化のミーソン遺跡群は1999年に世界文化遺産となりました。フォンニャ・ケーバン国立公園は2003年に世界自然遺産、ハノイ市内のタンロン城は2010年に世界文化遺産に、タインホア省の胡朝城塞は2011年に世界文化遺産に認定されました。
また、北部ニンビン省のチャンアン名勝遺跡群は2014年に「文化」、「自然」の両面でユネスコ世界遺産の基準を満たし、ベトナム初の世界複合遺産として認定されました。この他に、ベトナムには9つの無形文化遺産があります。
フエの宮廷音楽雅楽は2003年にベトナム初の無形文化遺産として認定されました。北部バクニン省のクアンホー、南部の伝統的民謡ドン・カ・タイ・トウ(DonCaTaiTu)があります。そして、国を守る神ゾンの恩をしのぶゾン祭り、フート省の民謡ハットソアンは2011年に緊急に保護する必要があるとして無形文化遺産のリストに登録されました。
さらに2012年、ベトナム建国の祖フン王を祀る信仰が、2014年末には、中部の民謡「ビ」と「ザム」が無形文化遺産として認定されました。この民謡は、この地方の住民の生活に密着したものとなっています。他にも、ベトナムは1千もの遺跡や名勝地があります。これらの文化や自然遺産はベトナムの観光発展に大いに貢献しています。
ベトナム文化遺産協会の会長であるリュ・チャン・テイウ博士は「文化遺産の維持、保存と経済社会の発展を両立する必要がある」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「文化遺産の保存は経済社会発展に役立ちますが、逆に、経済社会発展は文化遺産の保存に寄与します。文化遺産が持続可能な発展に寄与するため、その遺産の価値への認識を向上させる必要があります。文化遺産は貴重な財産で、新しい価値を作り出す土台となっています」
遺産の活力を維持するためには地元の共同体が重要な役割を担います。共同体はその遺産を維持、保存するだけでなく、次の時代に伝えてゆく必要があります。文化遺産の維持、保存はその遺産が存在している地域の住民により実施されなければなりません。国家遺産評議会のファン・タイン・ハイ( Phan Thanh Hai) 委員は次のように語りました。
(テープ)
「現在、最も重要な教訓は国と地元の共同体が共に文化遺産の利益を受けるようにどうすればよいかということです。地元の共同体は文化遺産の維持、保存をしながら、その遺産の改修プロジェクトに参加します。また、政府の他、地元の共同体はその文化遺産がもたらす利益を共に享受します。」
それぞれの文化遺産の保存方法が異なります。特に、口承文化遺産、民間祭り、風俗習慣などの無形文化遺産は忘れやすいものです。国家遺産評議会のグエン・テー・フン( Nguyen The Hung) 委員は次のように語りました。
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「芸人に対する優遇政策を引き続き実施します。ですから、無形文化遺産が維持、保存するためには、芸人が重要な意義を担っています。文化遺産の保存と持続可能な発展は互いに緊密な関係があります。持続可能な発展には文化遺産の保存が当たり前の任務となっています」
文化部門は常に文化遺産の維持、発展を特別な任務と見なしています。文化遺産局のレ・ティ・トゥ・ヒェン( Le Thi Thu Hien) 局長は次のように語りました。
(テープ)
「今後、世界遺産のピーアールを強化すると共に観光発展を促進します。その他、文化遺産の維持、保存とその価値の発揮に関して、国際協力を強化します」
文化遺産の維持と持続的発展には社会共同体の参加が必要です。先人が残した貴重な文化遺産は持続可能な発展の土台となることから、私たちはその遺産の維持、保存に力を入れる責任があります。