(VOVWORLD) - バリアブンタウ省は、海があることを利用し、祭りがたくさんあることなど観光面での潜在力を利用して観光分野への投資を誘致する方針です。
ホアイ こんにちは、ホアイです。
ソン こんにちは、ソンです。今日のこの時間は、南部バリアブンタウ省が豊かな文化や美しい景色を生かして観光を促進している取り組みについてお伝えしようと思います。
ホアイ それではまず、バリアブンタウ省について簡単にご紹介しましょうか、ソンさん。
ブンタウ市のビーチ |
ソン はい。バリアブンタウ省は南部の沿海地帯にあり、北はドンナイ省、西はホーチミン市、東はビントゥアン省と接し、南は海に面しています。省都は2012年5月よりバリア市ですが、その前の省の中心はブンタウ市でした。
ホアイ ホーチミン市から東南に約120キロメートルに位置するブンタウ市は海水浴場として知られていますね。
ソン そうですね。バリアブンタウ省の面積は1980平方キロメートルで、人口は110万人以上です。ベトナムの多数民族であるキン族のほか、中華系、クメール、チョロ、テイなどの27の少数民族があります。
ホアイ バリアブンタウ省は熱帯モンスーン気候に属し、雨季は5月から10月まで、乾季は11月から翌年の4月までです。年間平均降水量は1500ミリメートルで、年間平均温度は27度です。
ソン 経済について言えば、バリアブンタウ省は南部の経済拠点の一つであり、同省の最も重要な産業は石油ガス開発です。同省の沖合には大規模な油井とガス田がたくさんあり、全国の石油の埋蔵量の9割強、ガスの埋蔵量の2割弱を占めています。また、深水港湾を含めた多くの大型港湾を有し、港湾の数は全国で最多です。積載量の10万トン以上のコンテナ船の寄港が可能で、海外港湾を経由することなく貨物を輸出できるため、ヨーロッパやアメリカなどを結ぶ直行便が運航しています。
ホアイ バリアブンタウ省は300年余りの歴史があります。ほかの地方と比べると短いですが、文化色が豊かで、多くの祭りがあることで有名です。
ソン その祭りの中で最も重要なのがクジラ祭りですね。
ホアイ はい。「漁師」を守る神様とされるクジラを祀る祭りなんです。この祭りはベトナム文化スポーツ観光省によって、ベトナムの15の最大祭りの一つとして認められました。
クジラ祭 |
ソン 日本では、クジラを食べる習慣がありますが、ベトナムの漁師はクジラだけは絶対口にしません。クジラは漁師の守り神なんです。
ホアイ 漁民たちがよく語っている話では、海で遭難したとき、好奇心旺盛なクジラが海に投げ出された漁師を岸まで運んでくれたというんです。
ソン クジラ祭りはベトナム語でLe Nghinh Ongです。Leは祭り、Nghinhは歓迎の「迎」、Ongは老人の尊敬語で「翁」という意味です。南部では、クジラをCa Ongと言いますし、Ongには尊敬の意味があるからですね。
ホアイ そういう意味で、「クジラ様」をお迎えする祭りということですね。
ソン そうなりますね。バリアブンタウ省のクジラ祭りは旧暦の8月16日から18日までの3日間でブンタウ市内のタン・タムという社で行われます。
ホアイ この祭りは漁師の安全や大漁を祈願するもので、漁師ならば、だれもが参加したがります。バリアブンタウ省のクジラ祭り2018組織委員会のグエン・ヴァン・ロン委員長は次のように話しました。
(テープ)
「バリアブンタウ省のクジラ祭は数百年前に始まりました。伝説によりますと、重さ18トンのクジラが陸に流されて以降、この地のクジラ祭が始まったのです。クジラのおかげで、海が穏やかで、大漁になると信じられています。」
タン・タム社で展示されているクジラの骨 |
ホアイ その祭りの中で一番重要なのはクジラを迎える儀式です。港からこの地と周辺の漁船合計で数百隻が一斉に沖合へ向かいます。漁師たちは「出迎え」の漁船が多ければ多いほど、漁獲量が増えると信じています。
ソン 沖合で線香をあげたり、お供え物をしたりします。儀式の後には、陸に戻って、クジラの魂が乗っているとされる山車をタン・タム社へ持っていきます。
ホアイ 2018年のクジラ祭りは数千人もの国内外の観光客をひきつけたようですね。
ソン そうですね。バリアブンタウ省はクジラ祭りのほか、天候の順調を祈る祭りや、健康・平穏・幸福を祈願する祭りなど伝統的な祭りがたくさんあります。その一方で、文化観光フェスティバルや、マリンフェスティバル、凧揚げフェスティバルなど新しい祭りもありますね。
ホアイ これらの新しい祭り を開催することは、国内外の観光客に遊ぶ空間を提供するのが狙いです。中でも、毎年行われる凧揚げフェスティバルはバリアブンタウ省ならではの観光ブランドの一つとなっています。
ソン この省は、観光を先端的な経済部門とみなしており、観光に大きな投資を行おうという計画があります。
バリアブンタウ省の凧揚げフェスティバル |
ホアイ バリアブンタウ省は2025年をめどに観光客を860万人に、観光からの収入を31兆ベトナムドン(日本円で1500億円)に、そして、2030年をめどに、観光客を1700万人に、観光収入を102兆ベトナムドン(日本円で4900憶円)にする目標を出しています。同省文化スポーツ観光局のチン・ハン局長は次のように話しました。
(テープ)
「バリアブンタウ省は2025年までの観光発展戦略と2030年までのビジョンをたてました。この戦略では、バリアブンタウ省のそれぞれの地方に、自らの独特な観光商品の開発を求めています。また、企業と緊密に連携してよりよい観光商品を紹介したいと思います。」
ホアイ この戦略を実現させるために、バリアブンタウ省は70兆ベトナムドン(日本円で約3400憶円)の投資額を必要としています。海があることを利用し、祭りがたくさんあることなど観光面での潜在力を利用して観光分野への投資を誘致する方針です。
ソン バリアブンタウ省はベトナム一の有名な観光地になるでしょうね。ではおしまいに、一曲をお送りしましょう。
(曲)
「 」をお送りしました。今日のハノイ便りは、南部バリアブンタウ省の観光発展についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。