ワクチン接種を受けている外国人（写真：baotintuc.vn）

ベトナムは国内の人々に新型コロナウイルス・ワクチンの予防接種を行う傍ら、ベトナム在住の外国人を対象にその予防接種を展開しています。これは集団免疫の達成を目指す活動の一環でありながらも、ベトナム政府がベトナムに在住している外国人がヘルスケアを受けられるように支援するという政策を表しています。

ホーチミン市第7区にあるタン・フオン地区とタン・フー地区は外国人が最も多く住んでいる地区です。新型コロナウイルス感染症が複雑に推移している背景の中で、第7区は106か国の国籍を持つ外国人合わせて1万8千人に新型コロナウイルス・ワクチンの予防接種を行っています。2021年8月上旬まで、第7区に住んでいる外国人の半分以上がワクチンの予防接種を受けました。

ハノイでも、ベトナム駐在外国代表機関、国連の代表機関の職員とその家族、外国人記者など、合わせて600人を対象に、無料で新型コロナウイルスワクチンの予防接種が行われました。また、ハノイ在住のフランス人や日本人の多くも接種を受けました。韓国の日刊紙「アジアトゥデイ」のハノイ特派員Jung Rinaさんは次のように語りました。

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「外国人が無料でワクチン接種を受けられるように便宜を図ってくれたベトナム政府に感謝の言葉を述べたいと思います。接種後は、安心して取材に行けると思います。」

また、出入国管理局は先ごろ、ベトナム在住外国人に便宜を図るため、「滞在ビザの自動更新」という通知を出しました。これによりますと、2020年3月1日以降、ベトナムに入国した外国人のビザの期限が自動的に延長されることになります。これは外国人から好評を得ています。ホーチミン市に住んでいるイギリス人Tim Bishopさんは次のように話しています。

（テープ）

「ベトナム政府が外国人のビザを自動更新させることにしたことは素晴らしいことです。ベトナムに住んでから、多くの支援を受けていますよ。」

外国人に食料品などを手渡しているダナン市の当局（写真：Tuoitre.vn）

一方、約5800人の外国人が住んでいる中部港湾都市ダナンは、外国人から情報を受け取って彼らを効果的に支援するために、英語、中国語、韓国語、日本語によるホットラインを設置しました。これまで、このホットラインに連絡した人は200人以上で、彼らは食料品の提供や体調不良への対応、ワクチン接種場所への移動などに関する様々なお願いをしました。

ダナン市ソンチャ区人民委員会のフイン・ヴァン・フン副委員長は、このホットラインはソンチャ区に住んでいる260人の外国人にとって大きな頼みの綱となっていると述べ、次のように話しました。

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「深夜に持病を持つ外国人から体調が悪いという電話を受けたことがあります。医療施設に連絡してその人の手当てを願ったり、薬を買ってあげたりしました。また、他の問題があれば、市の外務局を通じて大使館に連絡して、適切な対策を講じます。」

食料品を受け取ったフーニュアン区在住中の外国人（写真：Tuoitre.vn）

一方、ホーチミン市フーニュアン区は、困難な状況下にある外国人調査を行い、食料品と生活必需品の無料提供や補助金の支給などの支援策を展開しています。同区の第1地区の行政府は8月27日、この地区に住んでいる外国人7人に、コメや卵、野菜などの食料品と、150万ベトナムドン（日本円で7千円）の補助金を手渡しました。

アイルランドから来た写真家Jason Kaneさんは、この4年ベトナムに住んでおり、多くの仁愛の心を見てきたが、今回の疫病では、ベトナム人同士の相互支援はもちろん、外国人への支援を目指す仁愛の心があちこちにあると述べ、次のように話しました。

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「ベトナムは疫病制圧に成功していると思います。皆は微力ながらも、力を合わせて新型コロナと闘っているからです。私たちはふさわしい努力で一歩一歩前に進み、自分自身だけでなく周りの人に関心を寄せれば、疫病との闘いに転換点を作り出すと思います。」

新型コロナとの闘いが長引く可能性がありますが、「誰一人も取り残さない」という精神で、外国人を含む、ベトナムに住んでいる全員は互いに団結し合ってこの疫病を乗り越えることでしょう。