腕時計に彫刻をする芸術

(VOVWORLD) - ベトナムでは、腕時計への彫刻・刻印の加工サービスが新しい職業となっています。現在、ハノイで、この仕事についている人は5人の職人しかいません。今週のハノイ便りでは、これについてお伝えします。 
腕時計に彫刻をする芸術  - ảnh 1腕時計への彫刻・刻印職人 (写真:Dantri)

腕時計は単に時刻を知るための装置ではなく、飾り物であり、自分のアイデンティティを表わすものでもあります。その意味で、腕時計は多くの人にとって特別な意味をもつ奢侈品です。そのため、自分の腕時計を唯一無二のものにしたり、自分の性格などの現われにしたりする人が増えつつあります。こうして、腕時計への彫刻・刻印加工サービスが誕生したわけです。

腕時計への彫刻・刻印加工に携わる職人で、ハノイに住むチャン・ゴック・チェンさんは元々イレズミ職人でしたが、イレズミへの愛情を腕時計に移入してしまいました。彼は多くのユニークな作品を作り出し、腕時計愛好家の注目を集めています。最初の工程は、顧客とアイデアを相談し、設計図を作ることです。チェンさんの話です。

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「お客様に特別なアイデアがあれば、その通りに設計します。その製品に見合うように設計する必要があります。 選択してから、コンピューターで調整し、スキャンを始めます。印刷の工程は正確でなければならず、ずれてはいけません。文字盤のように平らな面は印刷できますが、ケースの曲がりが多いので、難しいです。手作業でスケッチする必要があります。」

この職業は、職人の集中力や、忍耐力などが求められます。一般的には、時計面の直径が約32mm、厚さが0.4mmですが、職人は、0.02mmを超えない直径偏差と0.05mmを超えない板厚偏差という標準を満たす必要があります。そうしないと、組み立てられないことや、針が文字盤またはガラスに触れてしまうことなど、多くの問題が発生します。

先ほどの職人チャン・ゴック・チェンさんは次のように話しました。

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「線縁についてですが、それぞれの製品とそれぞれの職人によって作り方が違います。普通、私は96度の角度で始めます。小さい角で、小さい模様を刻むことができます。 殆どの模様は小さいなので、集中力と忍耐力が必要です。手が少し揺れると、線がスムーズになりません。」

腕時計に彫刻をする芸術  - ảnh 2(写真:Dantri) 

次の工程は模様の周りの部分を彫ることです。深く彫れば、模様はだんだん出てきます。顧客の要求に従って、金をはめ込むこともあります。その後は磨く工程です。職人チャン・ゴック・チェンさんは次のように話しました。

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「時計の文字盤に対して、ほとんどが新しい文字盤を作ります。時計の元の文字盤をお客に返します。時計は精密機械なので、その正確度を確保しなければなりません。その正確度に影響を与えない工程しかしていません。難しい工程には時計の職人に頼みます。」

普段、彫刻・刻印加工は3週間かかりますが、金属のベルトを持つ腕時計は、数か月かかる可能性があります。こうした仕事は普通の人が見れば、「つまらない。我慢できない」などをコメントするかもしれませんが、職人たちにとって、それぞれの腕時計は新しいチャンレンジです。先ほどのチェンさんの話です。

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「私は毎日、この場所に座って、顕微鏡を通して、彫っています。繰り返し作業みたいですが、実は、それぞれの工程やそれぞれの製品は異なる感情があります。私にとって、時計への彫刻・刻印加工はつまらないものではありません。毎日、心を込めて、仕事をしています。」

そして、職人たちにとって、完成後の腕時計は単なる製品ではなく、自分が生んだ子どものようなものです。職人グエン・アインさんは次のように話しました。

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「実は、私は安いスイス製の時計を使っています。でも、自分で時計への彫刻・刻印加工をしたので、贅沢なものに劣らないものだと思っています。高級時計のブランドは価値がありますが、彫刻された時計も独特な価値があるからです。」

グエン・アインさんによりますと、時計の文字盤に彫刻・刻印をするための費用は300万ドンないし500万ドン(約2万5000円)です。模様の複雑さや、材料などにより、1200万ドンにのぼるものもあります。日増しに人気が高まっていることから、今後、腕時計への彫刻・刻印加工サービスがさらに発展していくでしょう。

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