山崎 こんにちは、山崎千佳子です。
ソン こんにちは、ソンです。先週もお話しましたが、今月7日はVOV、ベトナムの声放送局の開局70周年記念日でした。この70年の歴史には、ラジオを聴いてくださっているリスナーの存在が欠かせません。
山崎 そうですね。VOVにはリスナーの会があるんですよね?
ソン はい。ベトナム全土にいるVOVリスナーは、お互いが交流できるように、自分たちでリスナークラブを結成したんです。
山崎 VOV主導ではなく、自分たちで作ったというのがその思いが伝わりますね。今日のハノイ便りは、VOVのリスナークラブについてお伝えします。
ソン 北部のフート省に住む元軍人のハー・フイ・ハイさんは、そのVOVリスナークラブのメンバーです。「“こちらはベトナムの声放送局です。この放送はハノイからお送りしています”というアナウンスを何回聴いているかわからないけれども、聴く度に心が動かされる」とハイさんは話します。
山崎 ハイさんにとって、VOVは戦時中から日常生活に欠かせない存在となりました。1969年にホーチミン元主席が亡くなったVOVのニュースを聴いたその時のことは、今でもはっきりと覚えていると言います。
ソン 当時、ハイさんは中部高原地帯のタイグエン地方で戦闘に参加していました。元主席逝去のニュースを聴いて、その時周りにいた誰もが涙をこぼしたそうです。VOVのラジオ放送は戦時中、重要な情報源となりましたが、今でも毎日、VOVの放送を聴いているハイさんです。
山崎 特に生放送が好きなんだそうです。生放送の番組を、リスナークラブのメンバーと集まって聴きながら、VOVに電話をかけてメッセージや感想を伝えるということです。ハイさんは、昔はなかった受け手と送り手との双方向番組がお気に入りです。
(テープ)
「VOVはベトナム共産党と政府の動きをよく伝えています。私は放送を聴いて、周りの人に、政府の新しい政策や主張を教えてあげています。特に、番組制作者とリスナーが互いに直接交流できる生放送が好きです。」
今日のハノイ便りは、VOVのリスナークラブについてお伝えしています。ここで、一曲お送りしましょう。「~」です。
(曲)
「~」をお送りしました。
山崎 北部のバクニン省に住むVOVのリスナークラブのメンバー、グエン・ティ・ヒエンさんは、VOVについて「いつでもどこでも聴けるので、とても便利」と話します。
ソン 農業に携わるヒエンさんは農作業や家事などでいつも忙しい毎日です。テレビを見たり、新聞を読む時間がないため、VOVが全ての情報源だそうです。ヒエンさんは農業や農村、農家、女性に関するVOVのすべての番組を聴きます。番組のオープニングテーマを聴くと、どの番組が始まるかすぐにわかるということです。
(テープ)
「私がよく聴く番組は、私にとってとてもためになるものです。特に“農家の友”とか“共に豊かに”などの番組は非常に役立ちます。番組を聴くことで、農業で成功する方法を知ることができます。ラジオは、いつでもどこでも番組が聴けます。農作業の時には、ラジオ付きの携帯電話で聴いています。」
ソン 北部バクザン省のVOVリスナークラブのメンバーは、ラジオを枕元に置いているそうです。メンバーの一人、チャン・ティ・レー・トアンさんは朝、起きてすぐラジオのスイッチを入れ、食事の時や時間のある時には必ずラジオを聴きます。夜は、ラジオを聴いてから寝ます。
山崎 ラジオを聴いた後には、近所に住むリスナークラブのメンバーが集まって、関心を持った話題や問題について話し合うということです。トアンさんは、VOVの音楽番組で流れる民謡が大好きだそうです。
(テープ)
「VOVがこれからも多くのおもしろい番組を作ってくれるよう望んでいます。特に、民謡を紹介する番組と社会で起こっている問題をいち早く伝えてくれる番組を期待しています。」
山崎 この日本語放送をお聴きの皆さんには、言わずもがな、ですが、VOVのリスナーはベトナム国内だけでなく、世界各国にも大勢います。現在、外国人と海外に住むベトナム人向けの外国語放送、このVOV5は短波で、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語、日本語など12カ国語で放送されています。
ソン VOV5は短波放送とインターネットでも聴くことができます。インターネットにつながっていれば、世界中どこでも聴けます。
山崎 そのインターネットで聴くベトナム国内外のリスナーが増えているようです。VOV5の12カ国語で放送されている番組の内容は、VOVのホームページで記事として読むこともできます。
ソン VOVのリスナークラブは、海外にもあります。たくさんのリスナーのかたから、手紙やメールなどで、メッセージを頂いています。これは私たちにとって、大きな励ましとなっています。
山崎 前にもお話しましたが、テレビよりラジオのほうが送り手と受け手の関係が近いと思います。これからもより双方向のラジオを目指していけたらと思っています。
では、おしまいに一曲お送りしましょう。「~」です。
(曲)
「~」をお送りしました。
今日のハノイ便りは、VOVのリスナークラブについてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。