ジャコウネコは、ネコ科ではなくジャコウネコ科に属しており、主に、東南アジア地域に生息しています。口先が長く、毛色は灰黄褐色で黒斑が並び、長い尾には白と黒の輪模様があります。下腹部に麝香腺があり、黄白色のペースト状の分泌液が出るのが特徴です。ベトナムでは、ジャコウネコは、肉やムスクを採る目的で飼育されています。ジャコウネコの肉は栄養が豊富な食品です。また、乾燥させた分泌液は香水の原料として知られています。

南部カマウ省タンタイン村に住むフィン・タイン・フンさんは、2016年に、10組のジャコウネコの試験的飼育に着手しました。当初は、ジャコウネコの飼育方法がよくわからなかったので、失敗しました。それにもかかわらず、彼は、他のジャコウネコ飼育業者から知見を身につけて、ジャコウネコの飼育にさらに投資を行うことにしました。その結果、ジャコウネコの飼育において続けて成功を収めたそうです。

フンさんは次のように明らかにしました。

(テープ)

「ジャコウネコを食用として飼育するのはとても簡単なことです。但し、ジャコウネコの交尾を行うのは難しいです。ジャコウネコの交尾期をよく把握したなければなりません。このことは、ジャコウネコの増殖と、より高い収益に役立つからです」

現在、フンさんのジャコウネコ農場には、およそ100匹の繁殖用、および数百匹の種ジャコウネコと食用ジャコウネコが飼育されています。毎年、フンさんは、数百匹の種ジャコウネコを出荷しています。現在、1匹当たりメスの種ジャコウネコは、700万～1200万ドン、4万円～7万円程度で販売されています。オスの種ジャコウネコの販売価格は、メスの3分の1です。種ジャコウネコの需要が高まっているので、フンさん一家のジャコウネコ農場では、ジャコウネコの売れ行きはいつも好調です。

フンさんによりますと、ジャコウネコの飼育には広い面積は必要ではなく、食べ物はバナナ、魚だけです。面倒を見る手間もそれほどかかりません。生後8ヶ月～10ヶ月でメスのジャコウネコは子どもを産むことができます。また、生後5ヶ月の食用ジャコウネコは、体重2.5kgを超え、出荷ができます。

フンさんはまた次のように語っています。

(テープ)

「ジャコウネコには、主に下痢、および足に水ぶくれがあります。この病気を発見したら、直ちに獣医に連絡します。実際、治療を受けても、成功と失敗の確率は五分五分でした」

フンさんが、ジャコウネコの飼育に成功したことをきっかけに、多くの村民は、彼の農場を見学したり、知見を身につけたりして、種ジャコウネコを買って育てました。地元の行政当局は、持続可能な貧困解消に貢献したフンさん一家のジャコウネコ飼育の成功例を高く評価しています。

タンタイン村農民協会のホ・コック・チャン会長は次のように明らかにしました。

(テープ) 

「フンさんは、タンタイン居住区などの行政当局と連携して、貧困家庭の生計を支援する為に、ジャコウネコの飼育方法を教えました。これにより、多くの貧困家庭は、経済発展を遂げ、貧困な状態を克服するようになりました」

フンさんは、敢えて考え、敢えて行動する精神を持ち、ジャコウネコの飼育で億万長者になった一方、村民の生活水準の向上にも貢献しています。フンさん一家のようなお手本は、さらに拡大するよう期待しています。