困難を越え、人々を支援する「ボランティア騎士」レ・クアン・トアンさん

(VOVWORLD) -先天性の身体障がい者であるものの、彼は劣等感に苛まれることなく、真摯な姿勢でボランティア活動に夢中になっています。人々は彼を愛情を込めて、「ボランティア騎士」と呼んでいます。
困難を越え、人々を支援する「ボランティア騎士」レ・クアン・トアンさん - ảnh 1トアンさん(右)
ベトナム中部クアンビン省(現在はクアンチ省に統合)の身体障がい青年クラブの会長であるレ・クアン・トアンさんは、過去20年近くにわたり慈善活動に情熱を注ぎ、人々の生活を支援しています。先天性の身体障がい者であるものの、彼は劣等感に苛まれることなく、真摯な姿勢でボランティア活動に夢中になっています。人々は彼を愛情を込めて、「ボランティア騎士」と呼んでいます。
クアンチ省に住むサム・ティ・ハさん夫婦はともに身体障がい者であり、定職に就いていません。幸いなことに、トアンさんとの出会いをきっかけに、ハさん一家の生活は大きく変わったということです。ハさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「トアンさんと慈善団体は、私たち夫婦に一軒の家をくれました。その後も、生計を立てる上でトアンさんから支援を受けました。そのおかげで、家族の生活は以前より楽になりました」
困難を越え、人々を支援する「ボランティア騎士」レ・クアン・トアンさん - ảnh 2
一方、クアンチ省に住むホアン・ティ・キム・トゥイさんも、トアンさんとの幸運な出会いによって困難な状況を乗り越えられた一人です。トゥイさんが高校1年生の時に父親を亡くし、母親は3人目を妊娠していたため、トゥイさんは学業を諦めるという状況に陥る恐れがありました。しかし、トゥイさんが学業を続けるように、トアンさんは、慈善団体と連絡して、トゥイさんに奨学金を寄付しました。現在、トゥイさんはクアンビン大学を優秀な成績で卒業しました。
トゥイさんは次のように述べました。
(テープ)
「トアンさんが、私に奨学金を支援してくれる社会福祉団体と繋いでくれました。もう6年になります。トアンさんからは、運命に打ち克つための努力を身につけました。将来は、もっと多くの慈善活動に参加したいと思います」
トアンさんは1979年、クアンチ省の貧しい農村部に生まれ、育ちました。出生時の体重はわずか1kgでした。10歳で小学校に入学し、字が書けるようになったのは14歳の時でした。話すことや書くことが困難なため、自分の考えを十分に伝えることができませんでしたが、彼は学校に通う夢を決して諦めませんでした。24歳で中学校卒業後、クアンビン農工業中級学校の情報技術科に入学しました。卒業後も、さらに知識を深めるため、ハノイ国家大学で情報技術学科の通信教育課程に編入しました。在学期間中、学校のボランティア活動や、これまでの人生経験が、彼の慈善活動への夢を育てました。トアンさんは次のように述べました。
(テープ)
「私自身も身体障害者なので、同じ障がいを抱える人々の困難や苦労を深く理解しています。私より障がいが軽いにもかかわらず、社会に溶け込めない人もいます。彼らがそのような困難な状況を乗り越えるように手助けしたいと願っています」
トアンさんは、「クアンビン・オンライン」フォーラム、「クアンビン釣り」フォーラム、「ベトナム・ダイオキシン」フォーラムなど、ほとんどの慈善活動に参加しています。2012年には、第2回国家ボランティア賞で優秀な人に選ばれた5人の一人となりました。そのほかにも、彼は、政府や、経済グループ、ベトナム青年連合会中央委員会などから賞状を授与されています。
トアンさんは慈善活動の計画を立案するだけでなく、ボランティアプログラムを直接結びつける役割も果たしています。
(テープ)
「大規模なプログラムでは、常に組織や企業に連絡を取り、共同で実施します。小規模なプログラムでは、社会福祉団体や個人と連携して、困難な状況にある人々を支援します。私の原則は、篤志家が直接、特定の対象者に支援を届けることです」
2年前、トアンさんは慈善団体と連携して、クアンチ省に住む身体障がい者青年20人に手動車椅子を支援したほか、障がいのある3組のカップルが結ばれ、安定した仕事に就けるよう支援し、軽度の障がい者向けの畜産訓練を行ってきました。
現在、トアンさんの健康状態は以前より悪化しているものの、慈善活動を辞めるという考えは全くないようです。彼は自分の足が動かなくなるまで、この活動を続けるでしょう。彼にとって最大の喜びは、困難な状況にある人々や障がい者が変化し、立ち上がっていく姿を見ることなのです。

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