18日、フランスの首都パリで、「法律と歴史からみるベトナム東部海域(南シナ海)問題の解決展望」と題するシンポジウムが行なわれました。主要な報告者はフィリピン最高裁判所の法律専門家であるアントニオ・カルピオ氏です。
カルピオ氏はその報告の中で、フィリピンは中国を相手取って仲裁裁判所に提訴していることについて触れ、「ベトナム東部海域のほぼ全域を中国領と一方的に主張する中国のU字ラインは何らの法的証拠もない」と強調しています。また、「フィリピンは1982年国連海洋法条約に基づき、仲裁裁判所に提訴している」と明らかにしました。
一方、IFRI=国際関係研究所に属するアジア研究センターの専門家ソフィエ・ブォッソー・ドゥ・ロッチャー女史は「ASEAN諸国は中国との領土・領海紛争の解決を目指しているものの、合意や共通の立場を達成していない」と指摘しました。
これに対し、カルピオ氏は「2002年、ASEAN諸国と中国はDOC=海上行動宣言を達成したが、これは拘束力がない文書である。COC=行動規範があってもフィリピンは国連海洋法条約に基づき、領海紛争を解決する」と述べました。