ベトナム、海上問題に関するコミュニケを国連などに送る
20日、国連やWTO・世界貿易機関、および、他の国際諸組織におけるジュネーブに本部を置くベトナムの代表団は、ベトナム東部海域いわゆる南シナ海での最近の動きについてコミュニケを発表し、国連のジュネーブ事務所と他の国際諸組織に送りました。
その中で、中国がベトナムの排他的経済水域と大陸棚に石油リグを不法に設置した5月2日からの情勢をまとめた上で、「1982年国連海洋法条約に従って、中国のこの行為はベトナム主権を深刻に侵犯した他、DOC=行動宣言とベトナム・中国の指導者が達成してきた合意に違反している」と批判しました。
コミュニケはまた「この問題を平和的な措置で解決することを主張するベトナムは、外務省と国防省などの各機関を通じて、20回にわたり、中国と連絡してきた。特に、ベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相は5月6日、中国のヨウ・ケツ・チ外相と電話会談を行った」と明らかにしました。
ベトナム代表団は、このコミュニケとともに、中国の石油リグ「海洋981号」が不法に設置された海域の地図や、第24回アセアン首脳会議で発表されたグェン・タン・ズン首相のスピーチ、この海域における最近の情勢に関するアセアン外相の報告、中国の行為に対する国際世論の反応をまとめる報告なども送りました。
ベトナム代表団は、中国がベトナム排他的経済水域と大陸棚に設置されている石油リグを始め、その海域に配置させるミサイル船や巡視船、護衛船などを直ちに撤収するよう要求すると共に、各国政府に対し、中国のこの違法な行為を批判し、中国が1982年の国連海洋法条約に規定される沿海国の権利と利益を尊重するために働きかけるよう呼びかけました。